読んだ本『10代のモヤモヤに答えてみた。』『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?』など

 

『10代のモヤモヤに答えてみた。―思春期サバイバル〈2〉Q&A編』

10代のモヤモヤに答えてみた。―思春期サバイバル〈2〉Q&A編

10代のモヤモヤに答えてみた。―思春期サバイバル〈2〉Q&A編

 

10代のころに読みたかったです。

私が中学生のころ、セクシュアルマイノリティに関しては今より情報が少なくて(もっと昔よりは随分マシだけれど)、主に2ちゃんねるで情報収集をしていました。それに、自分の周りに同じモヤモヤを抱えている人なんていないと思っていました。

セクシュアルマイノリティについてはまだまだ認知されていないことが多いですが、少しずつ良い時代になってきていると思います。

 

こちらは「セクシュアルマイノリティに関する本!」というわけではないため手に取りやすいので、学校の図書館にあったらいいなーと思います。

思春期の人のほとんどは過酷なサバイバルをしているといっても過言ではないでしょう。たとえ当事者(思春期の10代)が周りを見渡して自分以外はそう見えなかったとしても。こういった本がサバイバー達の手に渡り、彼らの助けになってほしいです。

 

 

『0円で空き家をもらって東京脱出!』

0円で空き家をもらって東京脱出!

0円で空き家をもらって東京脱出!

 

タイトル通り、0円で空き家をもらって東京から広島は尾道に移住した著者のルポ漫画。

漫画家である著者は東京の安アパートで、「このままでいいのかな…」と悶々とする日々を送っていましたが、尾道へ移住してからはどんどん生活が変わっていきました。

ただの移住者→卓球場の経営者→ゲストハウス『あなごのねどこ』設計・デザイン兼工事のメンバー→『あなのねどこ』店長→自分のお店をオープン、とまるで漫画のような展開をしました。

 

著者がもらった空き家の改修などを手伝ってくれたNPO法人「尾道空き家再生プロジェクト(通称空きP)」の存在も大きいです。

ものすごい行動力と決断力を持つ「空きP」のTさんにそそのかされ(?)、著者はどんどんチャレンジしていきました。

そして一大イベントであったゲストハウス設立が一旦落ち着いたあと、「とにかくなんか作りたい激しい作業衝動」に襲われます。腰を痛めてできてしまったモラトリアム期間に、著者は自分の店を持ちたいと思うように。そして実際にオープンしてしまうのだからすごいです。

やりたいと思ったことが実現できる、そして面白いことがしたいという人が周りにたくさんいるのはとてもいい環境だと思います。尾道では、著者は全く退屈することのない生活を送ったことでしょう。

 

もし「住む場所」とあなたの「居場所」がズレているように感じたら 地理的に場所を変えてみるのも手だと思います
心の問題ではなかったということです 僕の場合は――
自分で自分の生える地面を変えたら前よりは多少茂った……という物理現象みたいな

これは同感。

別にしっかり移住せずとも、ゲストハウスに短期で住んでみたり、旅や住み込みバイトなんかでもいいので場所を変えると新たな出会いや発見があるのでおすすめです。

 

 

『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか? 聞きたい! けど聞けない! LGBTsのこと』

ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか? ??聞きたい! けど聞けない! LGBTsのこと?? (イースト新書Q)

ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか? ??聞きたい! けど聞けない! LGBTsのこと?? (イースト新書Q)

 

タイトルの「ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?」というのは本書の第1章「LGBTsにまつわるQ&A」にある質問の一つです。人目を引くタイトルではありますが、どちらかというと本書の内容は「聞きたい! けど聞けない! LGBTsのこと」です。

各章のタイトルは以下のようになっています。

 

  • 1章:"LGBTs"さんと一緒に考える、LGBTsにまつわるQ&A
  • 2章:LGBTと言葉の歴史を見てみよう!
  • 3章:今さら聞けない ジェンダー&セクシュアリティ用語集
  • 4章:LGBTってなんだろう?

 

第2章では「LGBTと言葉の歴史」について、漫画と年表を使って分かりやすく書かれていて勉強になりました。

 

 

「LGBT」と「LGBTs」の意味を第3章から引用します。

レズビアン、ゲイ、バイセクシャル*1、トランスジェンダー*2の頭文字をとったもの

この4つに入らない人も、また、たとえば同じ「L」とされる人の間でも、本当に人それぞれなのだということを表すために、複数形で「LGBTs(エルジービーティーズ)」とする場合もある

 

 

最近、SOGI(ソギ)またはSOGIE(ソギー)という言葉を知りました。それぞれ、

  • 「Sexual Orientation and Gender Identity(性的指向*3と性自認*4)」
  • 「Sexual Orientation and Gender Identity and Expression(性的指向、性自認と性表現*5)」

の略です。

「人にはそれぞれ性的指向・性自認・性表現(SOGIE)があり、それを尊重し合うべきである」というような発想でこの言葉が作られたそうです。

 

肝心なのは、社会にある性差別を、誰もが自分のこととして向き合えるかどうかです。「つらいのはLGBTsだけじゃないんだから我慢しろ!」とか「男性だって差別されてるぞ!」みたいな、「どっちが弱者でしょう合戦」をするよりも、「どうしたらよくなっていくかな」って、誰もが自分事として考えられたらいいなって、私は思っています。
LGBTsであるかないかに関わらず、ね。

 

  • SOGIEは個人を構成する一部分でしかなく、「LGBTさんたち」という存在があるわけではない
  • LGBTsであってもなくても、同じ人間である
  • LGBTsであってもなくても、違う価値観がある
  • LGBTsであってもなくても、SOGIEを尊重しよう

ということが本書の要点だったように思います。

 

私は「LGBTsであってもなくても、SOGIEを尊重しよう」という考え方に諸手を挙げて賛成です。

そしてLGBTという言葉を必要としない社会へ向かっていきたいものです。

 

 

余談ですが、私が著者である牧村朝子さんを知ったきっかけはこちらの本。▼

同居人の美少女がレズビアンだった件。 (コミックエッセイの森)

同居人の美少女がレズビアンだった件。 (コミックエッセイの森)

 

この本に登場する同居人の美少女、というのが牧村朝子さんでした。

よくあるコミックエッセイのように基本的には匿名のような感じで、この本の中でだけ観測できる人物かと思い込んでいたら、ある日 牧村朝子さんのTwitterアカウントを見つけてびっくりしました。なんだか見たことがある名前だなーと思っていたら、もちろんご本人でした。

Wikipediaによると牧村朝子さんはタレントで、分筆家でもあるようです。

LGBTsの方々がそれを公にして活動されていることには本当に勇気づけられています。

*1:「男か女を性欲、愛情の対象とする」(本書より引用、以下同様)

*2:「出生時に診断された性とは別のあり方を生きる」

*3:「どの性別の相手に対して、精神的・肉体的繋がりを持ちたい気持ちが向かうか」

*4:「ある個人が、自分の性別をなんだと思うか」

*5:「見た目、服装、振る舞い、言葉づかいなどに、いわゆる「男性っぽさ」「女性っぽさ」あるいは他の要素をどのように取り入れているか」