あなたが口に出さない感情は、ないものと同じ

 

口に出さなければ伝わらない

自分の思っていることは、口に出さなければ相手に伝わりません。

「察してほしい」と思うのは怠慢です。察するなんて無理です。

 

口に出さなくても伝わるような関係になることもあります。そこに達することができれば、コミュニケーションはしていて気持ちがよく、楽なものになります。しかし、そういう関係であっても本当に伝えたいことは口に出して伝えるべきです。

 

 

口に出して伝えよう

ポジティブな感情は積極的に伝える

「ありがとう」「ごめんね」「好きです」。

自分がいくら相手に感謝していても、意外と気持ちは伝わっていないものです。謝りたいという気持ちや、好意も同様です。

気持ちの程度の大きさも、相手には自分が思っているより小さく伝わっているかもしれません。

言われた側も気持ちがいいポジティブな言葉は、どんどん口に出すべきです。

 

イヤだと思ったことはそのまま伝える

されて悲しかったこと、イヤだったことも、できればその場で伝えるべきです。「それは悲しい」「それはちょっとイヤかな」と事実をただ伝えればいいのです。

その際に、「そんなことだからあなたは…」「(皮肉を込めて)いつもそうだよね」などと相手の人格まで否定するとケンカになります。

イヤだったという気持ちを溜め込んで爆発させる前に、その場その場でシンプルに伝えましょう。

 

失敗からの反省 ~気持ちが伝わらない~

私は人に好意を伝えるのが下手です。

それでも「どうにかこの気持ちを伝えたい!」という思いで、ひたすら「好き(広義で)」だと言っていた時期がありました。

その効果が出て好意がきちんと伝わった人もいましたが、「少し不審に思われた」「頻繁に言いすぎて軽く受け止められた」「そもそも効果が感じられなかった」など失敗に終わったこともありました。

好意を伝えることによるデメリットはないと思いますが、欲をいえば労力なりの効果(=成功)はほしいものです。

 

好意を伝えるときだけに限らず、同じ言葉だけを何度も使うとしつこく感じるので、いろんな言葉を使えるようになったほうがいいです。「ありがとう」だけではなく、「助かるよ」「嬉しいな」だとか。

好意を伝えるのにも、「好き」以外の言葉を探すとか、言葉以外での伝え方を試してみるとか。

 

不器用な私を見て、「伝えたいというその気持ちが一番大事なんだよ」と教えてくれた人もいました。確かに、一番大事なのは気持ちだと思います。

それでも試行錯誤の過程で語彙や伝える手段が増えて、気持ちをより正確に伝えることができるようになれば、それはすごくハッピーなことだと思うのです。

 

 

あえて口に出さないことによるメリット

口に出さないほうがいい場合もあります。「負の感情である」と自分が感じ、かつ言わないほうがメリットが大きいと思った場合です。

 

事例1 人見知りからくる緊張

例えばあなたが人見知りだとします。

 

自分が人見知りだということを言わなければ、つまり初対面の人に向かって「自分は人見知りで話をするのが苦手だ」という感情を伝えなければ、自分が人見知りだと思われることはありません。なかには気付く人もいるでしょうが、程度がひどくない場合はほとんど気付かれません。

 

自分が人見知りであることを伝えると、緊張が少し解れる人もいれば、自分が人見知りであることを気にして負い目を感じてか、さらに緊張してしまう人もいるでしょう。

人見知りであることをもし伝えなければ、「話をするのが苦手」「緊張してしまう」という感情は、相手からすれば「ない」ことになります。そうすれば本当に人見知りであったとしても、負い目を感じずに意外と話すことができてしまうのです。

 

事例2 落ち込み

人見知りのほかに、例えば「落ち込みやすい体質」というのにも使えます。

叱られて落ち込んだとしても、「落ち込んでいる」ということを伝えなければ、態度に出ない限り、その感情は相手からすれば「ない」ことになります。

 

自分のために叱ってくれていることが多いのですから、たとえ落ち込んだとしても表に出さず、今後はうまくできるようにさらに精進したいものです。

叱る側も、叱るのはイヤなのです。本当はイヤだけど必要だから叱ったのに、その相手に落ち込まれてしまってはさらに気分が沈んでしまいます。「叱ってくれてありがたい」と思ってくれるような人だと、叱る側の気持ちもかなり楽になりますし、今後も(いい意味で)叱ってくれるでしょう。

 

 

このように自分の特定の感情を「ない」ことにすることで、物事をスムーズに進められることがあるのです。

 

 

嘘の感情を口に出すという手段

逆に、嘘の感情も、口に出せば「ある」ことになるのです。これによって自分の思い通りに事を動かすこともできます。

楽しみでないことでも「楽しみ!」と目を輝かせて言えば、相手には「本当に楽しみなんだなあ」と好意的に思ってもらえます。

 

ただ、こちらは自分の感情を偽る行為なので、多用しないほうが精神的にいいと思います。「出さない」と「偽る」は別物です。

 

 

まとめ

人は他人の気持ちを予測することはできますが、完全に答えを知ることはできません。

相手が「嬉しい」「悲しい」といった、「私は今こんな気持ちなんだ」ということを教えてくれれば、予測の答え合わせをすることができてスッキリします。

 

ポジティブな感情は、ときに勇気が必要ですが、積極的に出しましょう。

「負の感情は内に秘めて、ポジティブな感情だけ外に出しましょう」なんて綺麗事を言いたいのではありません。

「悲しい」「イヤだ」という負の感情も、それを伝えることで問題が解決する場合など、出すべきときは出してください。そして出さないほうが自分にとってメリットが大きいときは出さないようにします。

 

怒りに任せて負の感情を出すのはケンカのもとです。

「怒りは二次的な感情」とも言われます。寂しいから怒るとか、悲しいから怒るとかですね。怒りの前にどんな感情があるのかを自分で考えて、そちらを出すようにしましょう。

 

 

自分の感情を口に出して伝えること、それは「素直になること」とほぼ同義だと思っています。

「〇〇してくれて嬉しかった」「〇〇と言ってくれて嬉しい」「楽しい」「好き」といった言葉は、前述しましたが、言われて気持ちがいいものです。

 

「悲しい」「それはイヤかな」と言ってくれると、本当にイヤなのだと分かります。

不快に感じたことがあればちゃんと教えてくれるという安心感が生まれます。

自分の言動で相手が不快になっていないかという心配を必要以上にしなくてよくなるのです。

 

そして、そのように自分の感じたことをたくさん伝えてくれる人を「とっても人間らしいな」、と私は好きになってしまいます。自分にはまだまだできていない部分があるので、とても刺激を受けています。

まずはそんなあなたに、感謝の気持ちを伝えます。ありがとう。