アニメ感想『亜人ちゃんは語りたい』『けものフレンズ』など6作品



ネタバレあり。

 

 

『三者三葉』

アニメ『三者三葉』のスクリーンショット

引用元:TVアニメ『三者三葉』第1弾PV - YouTube(以下同様)

 

4コマ漫画原作の日常系アニメ。

「腹黒委員長、貧乏毎日パンの耳、胃袋ブラックホール」の3人の女子高生の物語。

 

面白くないわけではないのですが、淡々としたザ・日常系なのでイッキ見しようとするとちょっと退屈。

リアルタイムで週に1回観るくらいがちょうどいいです。

キャラクターにしてもストーリーにしてももうちょっと何か刺激がほしい。物足りなかったです。

 

姫カットや眼鏡といった私の苦手な要素が多いからすぐには気付かなかったけれど、どうやら絵柄はけっこう好みみたい。

作画がとても安定していて、日常系としてはもったいないくらいけっこう動きます。

私服がリアルでおしゃれ。変身前のプリキュアの皆さんにも見習ってほしいくらいです。

 

OPがかわいい。ちょっと中毒性あり。

きっとこれが女子高生の

普通の? 一般的な? スクールライフ♪

(『三者三葉』OP曲「クローバー♣かくめーしょん」より)

「きっとこれが女子高生の」ってところの双葉かわいすぎない?必見。

 

アニメ『三者三葉』の小田切双葉

アニメ版では葉子様が主人公っぽいですが、原作では双葉がメイン主人公らしい。

そして私が好きなのも双葉。

とにかくあの声(滑舌)が良いです。底抜けに明るいお馬鹿キャラに見えてわりと常識人。

ルックスは『らき☆すた』のみさおとか『キルミーベイベー』のやすなっぽい。

 

声優さんは新人さんが多いらしいですが、違和感はありませんでした。

『帰宅部活動記録』みたいな棒読み感は全くなし。あれはあれで大好きな作品なんですけどね!

 

 

『亜人ちゃんは語りたい』

アニメ『亜人ちゃんは語りたい』の小鳥遊ひかり

引用元:TVアニメ「亜人ちゃんは語りたい」/第3弾PV - YouTube(以下同様)

 

漫画原作。

ただのイロモノ日常系だと思っていたら、予想以上に面白くて一気に観てしまった。

登場する亜人(デミ)ちゃんたちがかわいい。

単なる日常系に見えて「亜人(マイノリティ)と共存する社会」というテーマが背景にある深い内容でした。

 

サキュバス、デュラハン、雪女、そしてバンパイア--。

僕ら人間とちょっとだけ違う、それが「亜人(あじん)」。最近じゃデミと呼ばれてます。

そんな個性的な「亜人(デミ)」ちゃんたちと、彼女たちに興味津々な高校生物教師・高橋鉄男が繰り広げる、ちょっと刺激的でハートフルな学園亜人コメディ!

物語のなかで亜人を何種類か取り上げるにしても、デュラハンなんてなかなか思いつきません。

最初はその姿に驚きましたが、すぐに慣れ、彼女がいる風景が自然になりました。

 

大抵のことってそういうもんじゃないかと思うんです。

見慣れていないから、自分の周りにいないから、奇異な目で見てしまう。そして「よく分からない」という恐怖から攻撃をしてしまうのではないでしょうか。それも一人では怖いから複数人で、ときには陰で。

 

私はこの作品での「亜人」を現実世界でのマイノリティな人々と置き換えて観ていましたが、考えさせられることが多かったです。

 

「確かにあいつはヴァンパイアの性質に即した行動はあまりしない。
だがそれで、ヴァンパイアらしくないと言われると、それは違う。
ひかりは、人から血を吸いたい気持ちはあるが、パックで我慢している。
また、ヴァンパイアの鋭敏な嗅覚を持ちながらなお、臭いの強い食べ物が好き。
そういった人間性が、あいつのヴァンパイアらしさであり、人間としての個性だ。

 

らしさは生まれ持った性質ではない。
性質を踏まえてどう生きるかだ。
だからといって、亜人の性質の理解を怠っていいわけじゃない。
亜人特有の悩みは、必ず性質に起因するからだ。
物の見方は一方向ではダメだ。双方向でしかるべき。
亜人の特性だけ見ていると個性を見失う。人間性だけ見ていると悩みの原因にたどり着けない。
どちらも大切だ。バランスが大事なんだ。俺は、そう考えている。」

生まれ持ったマイノリティな性質は「私らしさ」ではない。その性質を踏まえてどのように生きているかが「私らしさ」である。

この考え方だときちんと「私」という人間を見てくれているようで、嬉しくなりますね。

 

アニメ『亜人ちゃんは語りたい』の高橋鉄男と町京子

 

「"みんな同じ人間だ"という考えは平等のようでいて実は差別を含んでいる」といった言葉も納得できました。

確かに同じ人間ではありますが、どんな人間もひっくるめて「同じだ」としてしまうと、どうしても「マジョリティにとって生きやすい世界で、マイノリティは多少我慢しながら生きてもらうしかない」みたいなことになりますよね。

「別物だ」と考える(=差別に繋がる可能性がある)のもイヤですが、「同じだ」と考えるのにも問題がある。難しいですね。

 

 

「"頑張る"に、やりすぎなんてないよ。
頑張って前に出てる人に、「出すぎだ」なんて文句言うのはおかしい。
頑張ってる人に対して周りができることは、頑張りが報われるよう支えたり、感謝を伝えたり、
もしも、その人と足並みを揃えたいなら、自分も同じくらい頑張ることじゃないかな。」

 頑張っている人の足を引っ張ろうとするんじゃなく、こういうことをやっていきたい。

 

 

それにしても1話目から主人公のガタイがいいなーと思っていましたが、脱ぐとあんんなにムキムキだとは。

あれは確実に鍛えている体ですよ。素晴らしい。いつ鍛えているんでしょうか。

ガタイのいい、おっさん(誉め言葉)っぽいお兄さんなので確かに頼りにできそうです。

 

 

『ユーリ!!! on ICE』

アニメ『ユーリ!!! on ICE』PVのスクリーンショット

引用元:TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」PV - YouTube

 

男子フィギュアスケートアニメ。

変な必殺技やエフェクトなんかが出ない本格的なオリジナルアニメです。

 

腐女子界で騒がれていたので気になっていたところ、それ以外の界隈からも評価が高いことを知って観ることに。

主要登場人物が男性ばかりなので落ち着いて観ることができました。オタベックが好みです。

面白かった。たぶん私が腐っていたらもっと楽しめたと思います。BL要素はない(と言っていいのだろうか)ものの、素材は豊富でした。

 

フィギュアスケートをあんまり知らないままYOIを観たので、麻雀を知らずにアニメ『咲 -Saki-』を観ていたときのような感覚でした。

1つのプログラムのなかにストーリーがあるということや、演技中に状況によってジャンプの構成を勝手に変えられるといったことを知りました。

普段テレビでフィギュアスケートを見ているときに、実況で解説は入るものの、演者の心境をリアルタイムで知ることは不可能なので、そういった表現は新鮮でした。

2クール構成にして勇利(主人公)だけでなく、ライバル達それぞれのドラマも観たかったです。

 

スケート中は作画がほんの少し不安定になるけれど、すごく動く。

特にグランプリファイナルの作画は素晴らしかったです。

 

「他人のモチベーションを上げられない人間が、自分のモチベーションを上げられるのかい」

確かに。

私も自分のことばかり考えていたので反省。

 

 

7話の勇利の叫びが響きました。

「違うよ!

僕が勝つって僕より信じてよ!

黙ってていいから、離れずにそばにいてよ!」

本心を言葉にすることって勇気がいるし、自分の感情をかなり揺さぶられるし、後になって恥ずかしくなって後悔することも多いですが、大事なことだと思います。

こういう勇利の叫びのようなことも含めて、言いにくいことをどれだけ言えたかということも相手との関係の深さや人生の満足度を左右するのかもしれません。

 

 

『けものフレンズ』

アニメ『けものフレンズ』のかばんとサーバル

引用元:TVアニメ『けものフレンズ』PV 第二弾 - YouTube

 

メディアミックス作品。

 

『けものフレンズ』がなんだか人気らしいことは知っていました。

先日、Mステにけものフレンズ(以下けもフレ)の主題歌ユニット「どうぶつビスケッツ×PPP」が登場し、主題歌を歌いました。かわいかったー。

それを見て「アニメを観なければ!」と思い早速観ました。

 

けものは居ても のけものは居ない
本当の愛はここにある

姿かたちも十人十色 だから魅かれ合うの

(『けものフレンズ』主題歌、「ようこそジャパリパークへ」より)

あんまり中毒性がなさそうなのに、中毒になってしまうOP。不思議。

うー!がぉー!

 

 

これまでけもフレのネタバレを避けていたので、新鮮な気持ちで観ることができました。

さすが大人気作品、退屈することなく最後まで観れました。

けもフレはアニメではなくCGですが特に違和感はなく、逆にCGであることが魅力であったとも思えます。

クオリティの高すぎないCGのおかげで脱力感のようなものが出ていて、世界観と合っていました。

 

 

けもフレの世界は平和で、みんなが仲良しで…最初に感じたのは「どうぶつの森の擬人化バージョンっぽい」ということでした。

擬人化というか、けもの度が増した感じでしょうか。

擬人化された動物たちを「フレンズ」と呼びます。その理由は、彼らの住むジャパリパークに遊びに来た"ヒト"がフレンズたちに親しみを持てるようにだと思いますが、いい呼び方だなーと思います。

全生物みなフレンズ(友だち)!みたいな。私もそうでありたいものです。

 
 
擬人化がうまいです。
動物の分類的に似ている種類のフレンズたちは、柄は違いますが似たような服装をしています。
そして特徴もよく捉えていました。単純な特徴はもちろんですが、タイリクオオカミは表現豊かそう→漫画家の設定、なども面白かったです。
彼らフレンズはヒトに比べるとおバカさんなところはありますが、そこも含めて愛しいです。
 
各フレンズによって個性(元の動物の特徴や気質)がすごく出ているのに、それが尊重されているのがいいです。誰も、他人と違うということで批難したりしません。
違いを、そういう個性なのだと、ごく自然に受け止めています。
でもそれは彼らがそれぞれ別の種類の動物だからかもしれません。やはり同じ種類同士であれば、批難も出てくるのでしょうか…
そういえば同じ動物の種類のフレンズが複数ちらっと登場するシーンがありましたが、それぞれ個性があるようでした。ヒト以外でも、種類は同じでも動物にもやはりそれぞれ個性がありますもんね。
 
彼らはサバンナだったりジャングルだったり、それぞれ自分が生きやすい場所を縄張り(住処)にします。
誰もが個性を尊重し、尊重されていて、それを活かしたことをしていて、楽しそうに生きている。
それらは本能からなのでしょうが、本能を信じて迷わず行動できるところは、ヒトよりちょっと賢いというか優れていると思いました。
 
 
フレンズはフレンズ同士での狩りはしないようです。フレンズ同士での殺しはありません。
弱肉強食の世界ではないのです。誰かに食べられるという恐怖はそもそも持っていないようでした。平和です。
他の動物(虫や擬人化していない動物)を食べる描写は劇中では描かれませんでしたが、そういった狩りはするのでしょうか。
フレンズにとっての完全食、「ジャパリまん」という食べ物が支給されているようなので、生きるために無理に狩りをする必要はありませんが…
 
 
アイキャッチでの、動物園の人の解説が勉強になりました。
当たり前のことかもしれませんが、それぞれの業界の人は、私の知らない知識をたくさん持っているんですよね。すごいです。
 
 
ジャパリパークやフレンズがどういった設定なのか、ジャパリパーク以外の世界は私たちが生きているような世界と同じようなものなのか、などなど気になります。
セルリアンとは一体何者なのでしょうか。
サンドスターから生まれた「ヒト」は、ヒト、つまり人間といえるのでしょうか。
設定資料集、出ないかなー。
 
 
 
 

『デンキ街の本屋さん』

アニメ『デンキ街の本屋さん』PVのスクリーンショット

引用元:TVアニメ「デンキ街の本屋さん」PV第2弾 - YouTube(以下同様)

 

とあるデンキ街にある本屋と、そこで働く店員たちのお話。漫画原作のラブコメです。

 

店の名前は「うまのほね」。

「デンキ街」と「うまのほね」と聞けば、どんな本屋なのかはピンと来るはず。そう、「とらのあな」や「アニメイト」的なお店です。

『WORKING!!』の秋葉原版というか、オタク版。『WORKING!!』は観るのを途中で断念してしまいましたが、こちらはオタク関連ということで最後まで観ることができました。

ところどころにオタク的ネタが散りばめられているのが嬉しいです。

 

店員はオタクだらけ。実に良い!

実在のこういう本屋の店員さんもオタクの人が多いのでしょうか。そこで働いているうちに扱っている商品に興味がわいて、オタク道に足を踏み入れたりとかもあるかもしれませんね。

原作では主人公は海雄のようですが、アニメ版では店員7人が全員主人公のような感じでした。

みんながあだ名で呼び合っているのが素敵。本名は出てきません。

特に海雄については、私は最後までその名前を聞き取ることができず、あやふやなままでしたが全然問題がありませんでした。

個人的に海雄のことがそんなに気に入っていなかったからというのもあるでしょうが、名前(特に本名)なんてそんなに必要なものではないですよね。呼ぶのに不便だから名前が存在するわけで、呼び分けることができたら(つまりテキトーに呼んだとしても誰だか分かりさえすれば)それでいいのです!

それでも本名で呼び合っているアニメだと、名前が聞き取れないと気になってしまうので不思議です。

 

アニメ『デンキ街の本屋さん』の腐ガール

私はソムリエと腐ガールが好きでした。

腐ガールのルックスは『咲 -Saki-』のタコスもとい片岡 優希に似ています。

あだ名である「腐ガール」の「腐」は、腐女子からではなく、ゾンビ好きから来ているというのが意外で面白かった。

ああいういわゆるロリ担当キャラは好きになることが少ないのですが、腐ガールはちょっとイカれてる部分(ゾンビを見るとバットを振り回すなど)があるのが私にはどうやらツボだったようです。

ソムリエはガタイがよくて無口。ソムリエと言われるほど漫画に詳しく、外見からは想像できないくらいオタクなのが良いです。

 

ひおたんは「かわいい」らしい。そういえば「ひおたん」のことも「ひよたん」だと思っていました。もう名前なんてどうでもいい!

アニメのなかでの美醜の感覚って分からないですねー。みんな美形に見えるのに差があったり、フツーに見える人が美形扱いされていたり。

漫画家の岩本 ナオさんくらい描き分けてくれないと私には分かりません。▼

 

個人的には恋愛要素は求めていないのですが、本作はラブコメです。…はーラブコメかー。

ラブコメやるならせめて悲しい展開にならないように、報われない人が出ないようにしてほしいです。

カメちゃんのは予想はしてたけど切ない…。つもりんもいい子や…。

 

本作のギャグはまあまあ好きでした。

最終話で急に本編に登場し始めるうまなみちゃん(「うまのほね」イメージキャラクター)は一体なんだったのでしょう。シュールすぎます。
最終話スタッフロール後のうまのほねスタッフの話が一番笑えました。「こんなにいたんだね!」

 

 

『メカクシティアクターズ』

アニメ『メカクシティアクターズ』の如月伸太郎(シンタロー)

引用元:メカクシティアクターズ「プロモーションムービー」 - YouTube

 

ボカロPでもある「じん」さんのメディアミックス作品「カゲロウプロジェクト」のアニメ。

じんさんは2011年からニコニコ動画でVOCALOID曲の発表をしており、そこからカゲロウプロジェクトが生まれたようです。

一時期、私の中ではじんさんといえばVOCALOIDのIA(イア)ですし、IAといえばじんさんというイメージがありました。

 

劇中でじんさんの曲が聴けるのが良かったです。

歌っているのがVOCALOIDではなく人間だったのは残念でしたが、9話の「アヤノの幸福理論」だけは雰囲気と合っていていいなと思いました。あのシーン、急にビミョーなCGになったので目を疑いましたが…

11話の「オツキミリサイタル」だけはIAの歌唱でした。それで「IAの声だ!」と喜んでいたら、アニメの登場人物たちが「モモ(登場人物)の声だ」と言っていてとても違和感がありました。

キャラクターに関連する曲について、声優さんに歌ってもらうという選択肢はなかったのでしょうか。

 

好きなキャラクターはタカネです。目つきの悪いキャラクターが好き。

 

シャフト制作なのは雰囲気と合っていて良かったと思います。化物語っぽい演出でした。

アニメが、ニコニコ動画で発表されたカゲロウプロジェクトの楽曲の動画作成を担当している しづさんの絵柄そのままだったので安心しました。

じんさんがこれまでに発表した楽曲たちを使えるので、劇中ではたくさんのボーカル曲が流れ、他のアニメと比べてゴージャス感がありました。

 

カゲロウプロジェクトについてはずっと気になっていたので、どんな物語なのかが大体分かってよかったです。メディアによって進むルートが異なるらしい。

アニメでは毎話、続きが気になって仕方ありませんでした。どんどん謎が解けていくことを期待していたのですが…

ラストは展開が急すぎて消化不良。あと3話くらい使ってほしかったです。

ストーリーよりキャラクターをプッシュするにも、主要人物以外がほったらかしだったのは残念。特にセトなんかはほぼスポットライトが当たっていません。ヒヨリちゃんはどうなったの?

なんだか中途半端な作品になってしまっていてもったいないです。原曲→小説や漫画→アニメ、と見ていけば分かるのかもしれませんが、アニメから入るとさっぱり分かりません。

評価が大きく分かれる理由はここだと思います。カゲロウプロジェクトのファンだったり、化物語のようなシャフト制作アニメの雰囲気が大好きだったりすれば楽しめると思いますが、それ以外は…

 

 

アニメを観終わった後、ニコニコ動画で発表されていたカゲロウプロジェクトの全楽曲を聴きました。

~カゲロウプロジェクト~ by じん - ニコニコ動画

なるほど分からん。物語を知ってからも分かりにくいです。

音楽も動画も好きだけど歌詞が理解できません…