私は最後の逃げ道や最悪の状況についてよく知ることでラクになりました。
希望などのポジティブ方面のやる気に限界を感じている人は、ここで紹介する本を読むと見えている世界が広がるでしょう。
また、おまけとして抗うつや生活改善、意識改革に有効だと思える本も紹介しています。
世界を変えるのはたやすい。
どうということはない。クスリや洗脳を使わなくても、発想の転換ひとつで世界はガラリと変わってしまう。
(『人格改造マニュアル』より引用)
※読んだ本のみ紹介しています。リンク先はAmazon。
死、自殺
- 完全自殺マニュアル(鶴見 済)
クスリや首吊り、飛び降りからマイナーな方法まで、さまざまな自殺の方法や事例について詳しく書かれている。
自殺をひとつの手段にするための本。
完全に余談だが、鶴見済さんの本が気にいった人には『無気力製造工場』『檻のなかのダンス』もおすすめしたい。 - ぼくたちの「完全自殺マニュアル」(鶴見 済)
『完全自殺マニュアル』の反響(騒動)、読者からの手紙、雑誌に掲載された著名人によるコメントをまとめたもの。
読者からの手紙が本の半分以上を占めている。
騒動については出来事やテレビ、雑誌などでの言及が時系列にくわしくまとめられていて面白い。 - 145人の自殺者―彼らはいかにして命を絶ったか?(スーサイド・ラボ)
自殺者のショッキングな写真も載っている。
自殺実行者の10人に1人は後遺症とともに生きていくことになる。
そうならないためには正しい方法を知ることが大切だ。
人は簡単に死ぬけれど、簡単には死ねない。 - 自殺のコスト(雨宮処凛)
自殺によって発生する死体処理や社会保障などの損失と利益や、自殺の手段別経費について説明。
文章のところどころに著者のユーモアがにじみ出ている点も面白い。 - 遺品整理屋は見た!(吉田太一)
遺品整理・特殊清掃に関する最も有名な本。 - 遺品整理屋は見た!!(吉田太一)
二作目である本作は良い話につなげがちなので、人を選ぶかも。 - 特殊清掃(特掃隊長)
人間の死体などに関係する特殊な汚染汚損を処理する、特殊清掃業を営む著者による体験談。 - 事件現場清掃人が行く(高江洲 敦)
数枚だが現場や遺書の写真が載っている。『遺品整理屋は見た!』『特殊清掃』にはない。 - 自殺直前日記 改(山田花子)
1992年に24歳で自殺で亡くなった漫画家・山田花子さんによる自殺直前(自殺当日も含む)までの日記を関係者がまとめたもの。
おそらく本人には公開する予定がなかったためか、赤裸々に書かれている。 - 完全失踪マニュアル(樫村政則)
「失踪ってこういう感じなのか」という大体の全体像がつかめる。
貧困、サバイバル
- ネットカフェ難民と貧困ニッポン(水島宏明)
- 絶対貧困(石井光太)
- ぼくは都会のロビンソン ある「ビンボー主義者」の生活術(久島 弘)
低収入での工夫の暮らしルポ。 - TOKYO 0円ハウス0円生活(坂口恭平)
路上生活者の家や暮らし方について。 - ゼロから始める都市型狩猟採集生活(坂口恭平)
路上生活者のサバイバル術。 - 0円ハウス(坂口恭平)
路上生活者の住居の写真集。 - 洞窟オジさん(加村一馬)
荒野で43年暮らした話。ノンフィクション。
文庫本版には大幅な加筆あり。
中毒、ドラッグ
- ネトゲ廃人(芦崎 治)
- 失踪日記(吾妻ひでお)
コミックエッセイなので読みやすい。失踪日記2も同様におすすめ。 - 失踪日記2 アル中病棟(吾妻ひでお)
- うつうつひでお日記(吾妻ひでお)
- うつうつひでお日記 その後(吾妻ひでお)
- 逃亡日記(吾妻ひでお)
- アマニタ・パンセリナ(中島らも)
著者が体験したり話に聞いたりしたドラッグのエッセイ。単行本版は表紙がかわいらしい。 - 西原理恵子×月乃光司のおサケについてのまじめな話(西原理恵子、月乃光司)
アルコール依存症についてのガイダンス。
犯罪、裏社会
- 逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録(市橋達也)
- ニッポンの刑務所30(外山 ひとみ)
日本に77ヶ所ある刑務所のうち30ヶ所を、たくさんの写真とともにオールカラーで紹介。 - 刑務所の中(花輪和一)
映画化もされたノンフィクション刑務所漫画。 - 裏のハローワーク(草下シンヤ)
合法から非合法まで、マグロ漁船乗組員や運び屋、夜逃げ屋といった「危ない」「裏のある」20の仕事を紹介。
内容が内容なのでどこまで信じていいものか。
抗うつ、生活改善
『人格改造マニュアル』は「今のこの苦しみから逃れるためなら、何十年か後に死んでしまうことくらい大したことではない」「酒は朝から一日中飲め」など、一般的にネガティブなイメージをもつ手法を使った生活改善について書かれています。
すでにいろいろ試してもう打つ手がないと思っていた人でも、目新しさを感じる項目があるはずです。
それ以外の本は真っ当(?)なので安心して手にとってください。
- 人格改造マニュアル(鶴見 済)
自分の扱いにくい人格はクスリ、洗脳、サイコセラピーなどで変えてしまおう。
説得力がある。軽めの口調で書かれていて雑学本としても面白い。*1 - 食べ物を変えれば脳が変わる(生田 哲)
そのうつ症状、必要な栄養素が摂れていないのが原因かも。
抗うつ薬よりも有能だという5-HTPなどのサプリメントの紹介もある。 - 脳を鍛えるには運動しかない!(ジョンJ.レイティ)
運動は学習、ストレス、不安、うつ、注意欠陥障害、依存症、ホルモンの変化、加齢に効く。
エビデンスたっぷりで運動する気にさせてくれる本。 - いやな気分よ、さようなら(デビッド・D・バーンズ)
自分自身で行う認知療法のガイドブック。
意識改革
うまくハマれば見えている世界ががらっと変わる本。
- ゆるく考えよう(ちきりん)
ストイックすぎて追い詰められている人は、本書を読めばいい意味でも悪い意味でも考え方がゆるくなるだろう。 - ニートの歩き方(pha)
シェアハウスや上京のススメ。 - 生き地獄天国(雨宮処凛)
雨宮処凛さんの自伝。激しいイジメ体験→ビジュアル系バンド追っかけ→自殺未遂→新右翼団体加入→愛国パンクバンド結成→北朝鮮、イラクへ→右翼をやめるまで。
本書が「現代の聖書である」というのは言い得て妙だ。 - 認められたい(熊代 亨)
承認欲求をこじらせて生きづらい人におすすめ。
*1:なお覚醒剤の項目についてはどうやら間違っていたらしく、後に同著『檻のなかのダンス』内で訂正している。