ドット絵のSFアドベンチャーというところに惹かれてプレイ。
気楽な気持ちで始めてみたら、なかなか考えさせられる深い作品でした。
2064年、高度に発達したテクノロジーによる人類のサイバネティクス化、そして遺伝子操作による人体部位の修繕や強化がされた「ハイブリッド」という存在の増加、さらにROMという人工知能を搭載した機械の普及により、「人間」の定義は曖昧になり始めていた。 『2064: Read Only Memories』は、そんな時代においてネオ・サンフランシスコという混沌とした都市を調査し、癖のある住人たちと交流しながら謎解きの旅へと誘う新しいサイバーパンク・アドベンチャーである。
- 公式サイト:2064: Read Only Memories | Playism
- 発売元:PLAYISM
- 機種:VITA
- ジャンル:本格SFアドベンチャー
- 発売日:2018年4月5日
以下ネタバレあり。
良かったところ
- サイバーパンクな世界観。
「ロボットとの共生」や「人間とは何か」について考えさせられる - 選択によって分岐するマルチエンディング
- 主要キャラクターは個性的でストーリー性があり、本当にそこに生きているかのように感じられる。
キャラクターとの会話時の顔グラフィックは表情が細かく動き、リップシンクもしている - キャラクターにはボイスが付いており、ボイスは英語なので雰囲気がある
- LGBTQ*1のキャラクターが登場する
イマイチだったところ
-
VITA版だけの問題か、操作のレスポンスがモッサリしていることがある。
エラーでゲームが停止してしまうことが2回あったため、こまめなセーブがおすすめ。
また、クリア後にバグによってゲームを起動できなくなってしまったので、これから遊ぶなら Steam版のほうが良いかもしれない
プレイ雑感
まさかサスペンスだとは予想もしておらず、序盤は「思ってたのと違う…」と投げ出しそうになりました。
しかし2章でジェスと会話したところから引き込まれ、そのまま最後まで突っ走りました。
やはりどんな形でもキャラクターに感情移入できるというのは、作品として大きな魅力がありますね。一気に没入感が高まりました。私はジェスの力になりたい…
遺伝子操作された人間「ハイブリッド」におしゃれ感覚でなっているのかと思いきや、自ら望んでハイブリッドになっている人ばかりではありませんでした。
しかもハイブリッドには差別や人権の問題もあるようです。思ったよりも深い。
次に行くべきところのガイドはチューリングがしてくれるので、詰むことはないでしょう。
他人との交渉(会話)や、重要な選択肢を選ぶことでその後の展開が変わるため、「おつかいをさせられている」感はあまりありませんでした。
マルチエンディングってのもいいですね。
あっちこっちでとった行動がその後に影響してくるというのは、自分もその世界に生きている感があって好きです。
私は他人との交渉が決裂したりミニゲームで失敗したりしてもなるべくやり直さず、人生のように「一度きりでやり直せない」自分ルールを決めてプレイしていました。
ゲイや、
レズビアン、
中性のキャラクターが主要人物として登場するのが個人的に良かったです。
もう2064年ですしね。そろそろ多様性が尊重されるのが当たり前の世界になっていてもおかしくないのでしょう。まあ、この時代はハイブリッドやロボットが弾かれているわけですが…
本作の舞台が未来の世界だというのもあって、現代に生きる私から見ると奇抜な格好をしている人が多いのですが、その点もあまり問題視されていないようです。
海外作品なのにところどころに日本のアニメやゲームのネタが挟まっているのも、オタクとしては嬉しい。
本作からは日本への愛が感じられます。
本作では選択できるオブジェクトにアクションをすることができて、触ったり話しかけたり持っているアイテムを使ったりできるのが面白いです。
ふざけた行動がやり放題で楽しい!
もう、大事な機械に腐った牛乳をぶっかけてチューリングに激怒されました?
ちなみにクリア後にパブ・クロールというバーで出会ったクロウとロマンスをしてしまったことが、メインストーリーよりも一番印象に残っています。
大柄で毛深い人、良いな…
現在、5つあるエンディングのうちの2つを見ました。
トロフィーを見るとやり残したことがたくさんあるようなので、もう何周かは遊べそうです。
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*1:レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィアの頭文字をとって略したもの。