アニメ感想『ラブライブ!サンシャイン!!』笑いありドラマあり、個性の強い彼女たちの輝きを観てほしい



ネタバレあり。

 

 

『ラブライブ!サンシャイン!!』

 

ライブ中での3DCGの違和感がほとんどなく、表情も豊かで、前作の『ラブライブ!』からの3DCGの進化を感じました。

 

本作が面白くなり始めるのは7話から。

『ラブライブ!』シリーズが好きな人は途中で切ることはないだろうけれど、ぜひ7話まで観てから評価してほしいです。

本作は9人のアイドルたちの物語。6話まではそのうちの6人の出会いやグループ加入の話に時間が費やされるため、大きなドラマやキャラクターの深掘りが後回しとなり、退屈に感じてしまいやすいのは仕方がありません。

 

スクールアイドルに憧れて Love Live! 優勝を目指す、という『ラブライブ!』と同じようなストーリーを繰り返すのかと思いきや、少し違っていました。

僕らの(?)愛した μ's(ミューズ)を目標にする Aqours(アクア)、という立ち位置がなんだか嬉しかったです。アニメ内の世界における μ's の影響力ってすごかったんですね。

本作は Love Live! に向けた練習やライブといった具体的なスクールアイドル活動よりも、メンバー間のヒューマンドラマや、μ's への憧れと、μ's に憧れているだけの状態からの卒業がメインに描かれていました。

 

学年ごとにメンバーの大人っぽさに差があるところにリアリティを感じました。

2年生メンバーを基準として、3年生メンバーは大人びており、1年生メンバーはまだちょっと垢抜けていないようなあどけなさがあります。

 

ちなみに私は善子、もといヨハネ推し。

ポンコツ変人はどうも好きになってしまいます。

OP で膝枕をしてもらっていた花丸が急に立ち上がって落ちちゃうところとかも胸キュンポイント。

花丸は花丸でひどい気がするけれど、ヨハネはそういう(愛をもって)軽く扱われがちなポジションなんだよなあ。仲良きことは美しきかな。

 

アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の津島善子

引用元:【番宣PV】TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」番宣PV - YouTube

 

OP の最後の決めポーズにはそれぞれの個性が出ていて好きですが、鞠莉、なんですかあのポーズは。一人だけクソコラみたいになっています。個性の出しすぎです。

鞠莉は自分で面白いと分かっていてカタコトを使い分けるところがあざと賢い。

 

ダイヤは強気お姉さんに見えて実はヘッポコピー(鞠莉曰く)だったのが笑えます。思い返せば序盤の千歌との言い合いの時点で、もはやフツーではありませんでしたね。

ED のプリクラでも、同じポーズで一緒に写っている果南と鞠莉はカメラを意識してかわいく写っているのに、ダイヤひとりだけポーズをとるのに必死。ポンコツさはどうしてもにじみ出てしまうんですね…

 

そんな個性の強いメンバーたちのおかげか、本作はギャグ要素が多めなところが好きでした。

気のおけないメンバー間の仲良しさが伝わってきます。

舞台がわりと田舎、ということで幼馴染キャラが多いのも関係しているでしょうね。具体的には千歌&曜、千歌&果南、果南&ダイヤ&鞠莉、花丸&ヨハネ。

Aqours にはポンコツというかアクの強いキャラクターが多く、単純に見ていて楽しかったです。

 

「初めて立った大きな会場で歌えなかったくらいでスクールアイドルをやめるなんて変だ」と思っていたので、3年生メンバーがスクールアイドルを一度やめてしまった真の理由については納得でした。

私はこういうヒューマンドラマが見たかったのです。

果南と鞠莉はすれ違っていただけで、実はお互いを強く想い合っていたんですね。

簡単に物事を諦めたりしない「あの」果南が歌えなかったから、鞠莉は放っておけなかった。

果南は鞠莉の将来を潰したくなかった。

3年生メンバーのエピソード、良すぎませんかね…

ダイヤは、千歌たちの「スクールアイドルをしたい」という行動が、もう一度 果南・鞠莉・ダイヤの3人が一緒にスクールアイドルを始めるきっかけになると考えて、千歌たちに生半可な覚悟でやってもらいたくなかったから当初は反対していたのでしょうか。なんにせよ上手くいって良かったです。

10話からは3年生メンバーが仲良しに戻っているので嬉しい。

 

あとサブキャラクター役の声優陣が、阿澄佳奈さん、釘宮理恵さん、水樹奈々さんなど豪華。

幼くてかわいい系のキャラクターをよく演じている阿澄佳奈さんがお姉さん役って斬新な気がします。

そういえば『ラブライブ!』でも日高のり子さんや井上喜久子さんといった大御所が母親役で出ていて嬉しかったなあ。

Aqours のメンバーたちは個人的に知らない声優さんだったこともあり、歌で声を聞き分けるのが今のところ私にはムリ。2期まで観れば少しは聞き分けられるようになるのでしょうか。

 

最終話の Love Live! 地区予選でのライブで、千歌が笑顔で非常口から飛び出したのには笑いが止まりませんでした。

まさか結果発表前に1期が終わるとは思いませんでしたが、2期に期待です。

 

 

『ラブライブ!サンシャイン!!(第2期)』

 

Love Live! 地区予選は落ちたのかー。

次の回であっけなく予選に落ちていたり、あっさり優勝していたりする演出、けっこう好きです。

 

1期では実感がなかったけれど、2期1話での全校生徒の集会を見ると、本当に体育館を満員にできないくらい浦の星女学院の生徒数は少なかったんですね。

Love Live! の地区予選会場に応援に来た浦の星女学院の生徒たちは、あれで全校生徒だったんですね…びっくり。しかも半数は3年生で、2年生、1年生になるにつれ人数が減っているので浦の星女学院の先行きが不安です。

そしてやっぱり、統廃合は止められませんでしたね。こういうところで奇跡を無駄打ちしないところがリアリティがあって好きです。

 

1期で掘り下げられなかった1年生メンバーのドラマに期待していたところ、ちゃんと描かれていて満足でした。

同学年のメンバーだけでそれぞれスピンオフができてしまいそうなくらい、Aqours のみんなのキャラクターが濃くて良いですね。まだまだ彼女たちの知らない部分がたくさんありそう、と期待させてくれます。

1年生メンバーといえば善子、もといヨハネはグループ内の関係性的にぼっちになりがちだったので、5話で梨子との間に絆が生まれて安心しました。それからよく絡むようになりましたしね。

 

2期になってもギャグ要素は健在です。

一番笑ったのは10話で Aqours の乗った車が空を飛んだシーン。

直前に鞠莉がアクセルをグッと踏んでいたので、雨でタイヤがスリップして道路から飛び出してしまったのかと思いました。完全に事故ってる。

いつ落ちるのかなーとワクワクしながら見ていましたが、何事もなく目的地に着いてしまいました。

あとは最終話で、校舎にペイントしたあとに生徒全員の顔がペンキで汚れたのに、制服は完全に無事だったところ。しかも顔にペンキが付いたまま卒業・閉校式に出席。式のあとはお顔が綺麗になっている。この学校の生徒、みんなフツーじゃない。

 

静岡と北海道の往復を短期間で2回なんて普通の高校生には金銭的に難しいだろうに、それをあっさりとやってのける Aqours。

品のない言い方ですが、やっぱり持つべきものはお金持ちの友人ですね…

そのお金持ちの鞠莉といえば、1話のお姫様抱っこといい、11話の果南の忠誠のポーズっぽいものといい、完全に夫婦である。

 

アニメラブライブ!サンシャイン!!(第2期)の松浦果南と小原鞠莉のお姫様抱っこ

引用元:「ラブライブ!サンシャイン!!」TVアニメ2期 PV第2弾 - YouTube

 

1期での推しはヨハネだったのですが、いまは曜が一番気になっています。

最初は曜の千歌への強い想いに心惹かれました。

かわいくてオシャレで明るくて要領も悪くない曜が、たとえば自分の穴を埋めるためなどのネガティブな理由なんかではなく、純粋にフラットに千歌を大好きなところにグッときます。

2期を観終わったあとに1期からのライブシーンをすべて観直していたら、見れば見るほど曜がかわいく見えてきて心が苦しくなってきました。

長すぎず短すぎない髪の長さ(2D 作画と 3DCG とで髪が伸び縮みする不思議)とか、髪のカールとか、とにかくさじ加減が絶妙です。

髪色も眼の色も声も、家ではメガネなところも、ライブ中に見せるすべての表情も、曜の一挙手一投足、もう何でもかんでもかわいく見える。これが恋に落ちるってやつなのか。

 

『ラブライブ!サンシャイン!!』は、

  1. スクールアイドル結成
  2. メンバー全員加入
  3. Love Live! 地区予選
  4. Love Live! 予備予選
  5. 学校統廃合の阻止とその失敗
  6. Love Live! 優勝
  7. 閉校と3年生メンバーの卒業

と、イベント盛りだくさんでしたね。

それでもイベント事よりも、その合間や過程での日常シーンやキャラクターの掘り下げが多いのが個人的に好感触でした。

私は1期の最終話の時点では恥ずかしながらまだメンバーの顔と名前が一致しておらず、キャラクターの輪郭もぼやけていました。

しかし2期では徐々にメンバー全員が愛しく思えてきて、最終話では頬が痛くなるくらいずっと笑顔で彼女たちを見守ることができました。結局、歌声を聞き分けられるようにはならなかったけれど…

 

ただ、練習の描写が少なかったからか、視聴者側からすると物語が進んでも彼女たちがスクールアイドルとして成長している実感が薄く、実力はライブの結果で判断するしかありませんでした。

あちらを立てればこちらが立たず、ですね。

 

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