癒やしアニメとして名高い『ARIA』シリーズをすべて観ました。
観終わってしまって寂しいくらいです。
結論から言うと、『ARIA』シリーズは最高でした。
「こんな最高のアニメにこれからも出会うためにも、まだまだ死ねないな」と思えるほどの作品でした。
アニメを観るために生きよう、そうしよう。良いアニメで良い人生を。
以下はアニメ『ARIA』シリーズ第3期の『ARIA The ORIGINATION』と、その続編でもあるOVA『ARIA The AVVENIRE』の感想です。ネタバレあり。
『ARIA The ORIGINATION』
- 公式サイト:TVアニメーション「ARIA The ORIGINATION」公式サイト
- 放送時期:2008年1月~3月(全13話)
- 原作:漫画
『ARIA The ORIGINATION』は『ARIA』シリーズの第3期。
物語が長く続くと、必然的にいろいろなものが移り変わっていく様を見ることになります。
経過した時間や積み重ねた日々に深みを感じて感動することもあれば、少しつらくもありました。
灯里、藍華、アリスの3人がペアやシングルだった頃は、毎日のように集まって合同練習をしていたのに、第3期でそれぞれがプリマになると、プリマになってからのアリシアたち先輩方と同じように、一緒にいられる時間は少なくなりました。
3人が一緒にいる楽しい時間をずっと観ていたい気もするけれど、それは灯里たちの望むところではありません。灯里たちはプリマを目指しているのですから。
灯里たち3人が一緒にいる時間が極端に減ってしまったのは寂しいです。
しかし、アリシアたちはずっと一緒にいられなくなっても絆はそのまま、いえ、時間を経てさらに深まっているとさえ思えました。
だから灯里たちもきっと大丈夫。関係が壊れることはありえません。
生きている限り、変化は避けられないものです。
それならば、一視聴者である私も彼女たちの変化を受け入れ、見守っていくべきなのでしょう。
つまり『ARIA』は人生、といっても過言ではないのです。
時間の経過が感じられるというのは、多クール(もしくは2期以上続いている)アニメの良さであり、欠点でもありますね。
多クールアニメでは時間の経過をじっくりと体感できるため、登場人物たちが積み重ねた日々の重みが深く感じられます。
ずっとずっと『ARIA』の物語を観ていたくて、終わらないでほしかったけれど、変化し続ける彼女たちを見続けるというのも切ない、というジレンマがありました。
『ARIA』は観る者の心を浄化し、不思議と前向きにしてくれるアニメ。
このような最高の作品に出会ったときの、自分では抑えられない溢れ出す感情にはなかなか慣れません。感情を持て余した痛みなのか、胸が苦しくなります。
簡単に言えば「好きすぎてつらい」ですね。
ちなみにアリシアの突然の結婚発表には驚いたけれど、アリシアほどのお方にお相手がいないというのもおかしいので納得です。お相手が劇中に登場しなかったのは好印象でした。
『ARIA The AVVENIRE』(OVA)
- 公式サイト:『ARIA The AVVENIRE』公式サイト
- 放送時期:2015年12月~2016年6月(全3話、イベント上映)
- 原作:漫画
『ARIA The ORIGINATION』までの『ARIA』シリーズは灯里の視点で語られた物語でしたが、本作『ARIA The AVVENIRE』まで観ると、『ARIA』シリーズはアリシアの物語だったのではないかと思えてきます。
引用元:ARIA The AVVENIRE 本予告 - YouTube
灯里がネオ・ヴェネツィアで経験してきたことのほとんどは、きっとアリシアも経験してきたのでしょう。
たとえば共にプリマを目指す友人たちとの出会いと交流、ウンディーネとしての経験、街での素敵体験、妖精ケットシーとの不思議な触れ合い。
アニメ本編では言及されませんでしたが、灯里もアイもケットシーと出会っているのですから、きっとアリシアも少女時代にケットシーと心を通わせたことがあるはず。
(話はそれますが、グランマにも同様のことが言えます。ARIA カンパニーに引き寄せられた人間には不思議体験との因縁があるのでしょう。)
つまり『ARIA』シリーズは、灯里の目を借りて観たアリシアの物語であり、同時に、灯里の姿を借りて大まかに再現されたアリシアの物語だったとも言えるのです。
アリシアは ARIA カンパニーの先輩として灯里を見守り立派に成長させてきたと同時に、アリシア自身も灯里から大きな影響を受けていたことが本作で分かりました。
アリシアはネオ・ヴェネツィアで一番のウンディーネだとか、そういうのは置いといて、まずひとりの女の子だったのです。
なんでもそつなくこなす完璧素敵超人のように見えて、人並みに苦しむことも悩むこともあったはず。
また、アリシアはアニメ作品にありがちな、単純な「あらあらうふふ」な天然優しいお姉様キャラかと思いきや、きちんと自身の意思を持ち、芯のしっかりしている超素敵なひとりの人間だったのです。
それが本作によって最後の最後にさらけだされたものだから、これまでのネオ・ヴェネツィアでの出来事が走馬灯のように押し寄せ、アリシアがとってきた一つ一つの行動に私のなかで意味が付け足されていき、アリシアの人間的な深みが増しました。
短時間で一気に私に襲いかかってきたそれらの意味付けや、点と点が繋がる感覚の威力は凄まじかったです。
原作者やアニメ製作者が意図してか偶然なのか、まったくズルい演出ですよ。
誰からも完璧に見えていたアリシアのそんな人間くささを見せられては、惚れないではいられないじゃないか!
アリシアの人としての美しさや、性格や振る舞いのかわいらしさはもちろんだけれど、それ以上に、透き通った心や、ネオ・ヴェネツィアや観光水先案内業界に対する熱い思い、それらが反映した生き方といった、内側の部分に強く惹かれました。尊敬もしています。
余談ですが、ペア・シングル時代の灯里のもみあげヘアーの時点で察するべきだったのでしょうが、プリマになった灯里の髪型は挑戦的というか斬新でした。
灯里、さすがの謎の感性です。
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