- 『FLIP-FLAP』
- 『55歳の地図』
- 『濃爆おたく先生』
- 『アジアを喰う』
- 『流転のテルマ』
- 『性別が、ない!』
- 『曽根富美子傑作選 子どもたち!~今そこにある暴力~』
- 『てーきゅう!』
- 『友達100人できるかな』
『FLIP-FLAP』
街の小さなゲームセンターからシカゴまで広がるピンボールを巡るラブコメディ。
ピンボール漫画。
好きなものに対する一途な熱い思いと、好きなものを純粋に楽しむことに意味を求める必要なんてないんだ、ということを再確認できます。
私の話になりますが、ピンボールは小学生のときにパソコンに入っていたゲームをプレイしたのが最初。
その後ゲームボーイの『カービィのピンボール』や『ポケモンピンボール』をプレイするも、ピンボールの遊び方を知らなかったためボールが落ちないよう、ボールがレバーに近づいたら単純にレバーを動かして弾いているだけでした。
ピンボールとはボールを落とさないゲームだと思っていました。
間違ってはいませんが、それでは楽しさが分からなかったのも当然です。
数年前に、もう一度ゲームボーイ(正確にはゲームボーイアドバンスSP)を買い直して両方プレイしてみました。
説明書をちゃんと読むと、ピンボールというゲームの中に数種類のミニゲームが入っていて、それをクリアすることで多くのポイントを獲得することができるんですね。
好きな作品、例えばここではカービィやポケモン、が題材だとピンボール初心者でもとっつきやすいです。
実際のピンボール台では、台を揺らすことでボールの軌道を少し変えることができるそうなのですが、その機能もついていました。
ポケモンピンボールのソフトにはゲーム内のボールが何かに当たったときにバイブする振動機能(要電池)も。
ピンボールはハマるとものすごく面白そうです。
『55歳の地図』
19歳でデビュー以来、約100タイトルの作品を描いたものの、原稿の依頼が途絶えてしまった55歳の漫画家。過去の一切を捨てた著者が放浪の旅として選んだ、四国八十八箇所の遍路体験を自ら描く。旅の果てに、“生くべき道”として著者が見つけたものとは一体何か。
ノンフィクション四国遍路漫画。
すべてを捨てて何かをする描写や、修行のような描写が好物なんです。
あまり整えられていない装備で冬にお遍路に挑む姿に、本当に思い詰めていたことがわかります。
筆者で四国遍路を通じて得た気付きには非常に納得です。
『濃爆おたく先生』
生粋のジオン公国信者の「ガンダムおたく」であり「サクラ大戦おたく」である教師、暴尾亜空(あばお・あくう)の濃厚且つ爆発的活躍の物語
『濃爆おたく先生(全二巻)』の他にも、同じ作者の『濃爆おたく大統領(全二巻)』『ドリームキャストファン列伝(全二巻)』を読了。
サクラ大戦おっかけ日記などが収録されています。
サクラ大戦関連のページしか読んでいませんが、有名どころのネタはもちろん、あまり有名ではないセリフや設定などが取り上げられており、楽しめます。
裏を返せばサクラ大戦ファンでないと意味不明でつまらないかも。
『アジアを喰う』
マンガで綴るアジア放浪日記。貧乏旅行じゃなく、パックツアーでもない。
なんの予定もたてずに、のんびりアジア8カ国を夫婦で旅行。
アジアに行きたくなります。
『流転のテルマ』
「助けてくれ」とメールを残し行方不明となった兄を捜しに、大学生の徳丸は西チベットに旅立つ。
ガイドのソナム、キッチンボーイのナムギャルと、標高3000メートル越えの大地をひたすら歩く男3人旅が始まった!
全巻読破。
絵はあんまりですが、チベットという舞台が良いです。
作者のチベット愛により地元民の生活風景や背景の自然がリアルで、チベットでの旅を追体験できます。主人公たちの友情もよく描かれています。
『性別が、ない!』
何万人にひとりと言われている男性でも女性でもない半陰陽である作者によるノンフィクション漫画。
染色体検査をしてみたくなります。
性別関連について細かいことまで書かれていて「あるある!」と思ったり、勉強になったり。愚痴っぽくならずに体験を飄々と描いているのが良いです。
現在6巻を読んでいます。
悲しかったことをぺらぺらしゃべるタイプは男でも女でもあまり好きじゃない
そーいうのって情けないし超ダセー!!
男だろうと女だろうとカッコよく生きたい… そう思いませんか?
半陰陽に限らず、そんな生き方はきっと同じ悩みを抱えている人に勇気を与えるはず。
『曽根富美子傑作選 子どもたち!~今そこにある暴力~』
児童養護施設に通う、虐待を受けた子どもたちとその施設のお話。
一人の子どもに対して大体1,2話があてられていますが、ほとんど完結はしません。
それぞれ問題が完全に解決されるわけでも、きちんとハッピーエンドにおさまってくれるわけでもないけど、希望の持てる描き方をしてくれます。人生のようですね。
自分を大切にできないと他人を大切にできない、というのも納得だけど、その前提として「他人に大切にされていると感じた経験」が必要なんじゃないだろうか。
人は大切にされることによって はじめて
自分のことも他者のことも大切にすることができるんだなあ
『てーきゅう!』
ギャグ漫画。
Kindle Unlimitedで読み放題対象になっている10巻まで一気に読みました。
その後、アニメてーきゅうも8期までの94話を一気見。
個人的には漫画『日常』よりはツボではないのですが、ついつい続きが見たくなってしまいます。
諸悪(?)の根源。
Amazonプライムミュージックでこの曲をヘビーローテーションしているうちに原作が読みたくなりました。
てーきゅうスピンオフも読み放題対象。
なすのは好きだけどこのスピンオフは正直うーん、という感じ。
テニス部のみんなでバカやってるのを見るのが好きです。陽太(他のテニス部員の弟)はいらない子。
当然、原作よりなすのにスポットが当てられているため、なすのの新たな一面が見られたのは良かったです。
『友達100人できるかな』
全5巻。
突然、地球に宇宙人が現れ、ある条件を満たさなければ地球への侵攻を始めるという。
その条件とは、「愛の存在を証明すること」。
そのテストの被験者に選ばれてしまった主人公は、彼が小学生だった1980年にタイムスリップして友達を100人作らなければいけなくなってしまいました。
彼は記憶はそのままで過去にタイムスリップしたので、人生2週目ということになります。
友達を作るため、人生1週目では関わることのなかった人々と関わり、その中で彼も少しずつ変わっていきます。
100人と友達になるために主人公は積極的に人と関わっていき、結果として1週目の冴えない小学生時代とは全く違った人生を送ることになりました。
最終巻まで読んで、アドラー心理学でいう「幸せになる勇気」、つまり「愛する勇気」に通ずる部分があると思いました。
人は「出会いがない」といいますが、その場で居合わせる、という意味でならたくさんの出会いに溢れています。ですが、声をかけるのが面倒だから、怖いから、と何もしないのです。
出会うためにも、愛するべき人を見つけるためにも、自分から手を差し出すことが必要なのです。そして、誰かを(広義で)愛してこそ幸せになるのだとアドラーは言いました。
時間制限があるなかで100人と友達になる、という決死の思いがあったからこそ、主人公は常に積極的な行動ができたところもあると思います。
それでも、主人公はアドラー心理学の実践者のように見えました。