最近観た映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』『スペクトル(Netflix)』など16本



ネタバレあり。

 

 

『レ・ミゼラブル(2012)』

 

2時間半もあるのに、集中が途切れることなく最後まで観られました。

テンポが良いです。どんどん話が進んでいくのに、雑な印象はありません。

最後、ジャン・バルジャンがすべての苦しみから解放された(ように見える)シーンでは泣いてしまいました。

 

『レ・ミゼラブル』自体は『サクラ大戦』のドラマCDで知りました。

サクラ大戦の『レ・ミゼラブル』は軽めにしてあるけれど、本作は重め。

本作のフォンティーヌがサクラ大戦の真宮寺さくら(ドラマCDではフォンティーヌを演じる)役の横山智佐さんにそっくりなことに、なにか運命を感じます。

 

本作を観て「やっと気になっていた『レ・ミゼラブル』のストーリーが理解できたぞ」と思ったのだけれど、Wikipedia を見たら原作から端折られた部分が多いことを知って、2時間半の映画に詰め込むのはやっぱり無理があるよなーと思いました。

サクラ大戦のドラマCDでも唯一、『レ・ミゼラブル』だけは前編と後編に分けられていますしね。

端折りまくっているのだからテンポの良さも納得です。

 

 

『ショーン・オブ・ザ・デッド』

 

最後にゾンビの大群に囲まれ行き詰まったときに、どういう終わり方をしてくれるのだろうと思ってみれば、「全員死亡でバッドエンド」「軍などによる救済エンド」というありがちな2パターンの後者だったのがちょっとガッカリ。

 

面白かったのは、救済されたあとの「その後のお話」が描かれたことです。

ゾンビと共存するというのは予想外でした。

イギリス人、楽観的すぎるでしょう。共存反対派もいるでしょうね。

ショーンの彼女のリズもすっかりゾンビ化(干物化の比喩として)していました。

 

ゾンビ自体は走ったり飛んだりせずリアルに描かれているのに、ショーンとその親友・エドの二人がコミカルで笑えました。

彼らがいなかったら、一緒にゾンビから逃げていた他のメンバーはもっと戦々恐々としていたでしょうね。

それか、もしかしたらショーン達がいなくても楽観的な国民性を発揮していたかもしれません。

ゾンビがコミカルだったらB級映画っぽいけれど、そうでないのが良かったです。

 

 

『ベンジー』(Netflixオリジナル)

Netflixオリジナル映画『ベンジー』のスクリーンショット

引用元:Benji | Netflix Official Site

 

ベンジーがかわいい。

毛並みのせいでキリッとした顔立ちではなく困り顔なのがまた愛らしいです。

 

そしてめちゃくちゃ賢い。

屋台のホットドッグを盗んで、大型のホームレス犬に与えて仲間にするところにはグッと来ました。

落ちている鍵を口にくわえて鍵穴に差し込み、回してドアを開けるという凄技も披露。ちょっとやりすぎである。

かと思えば犬らしく、ビビリなところもあるのがリアル。

 

あんなに凄技を見せてきたベンジーが、子ども達を助けて死んでしまうなんて、信じられない。

と思ったら生き返るんかい! それでこそベンジーだ!

しかもホームレス犬は女の子だったのか。

最後にイチャイチャを見せつけてくれました。

 

ベンジーが全然CGに見えないのでどんな技術を使っているんだろう、と感動していたら、スタッフロールでトレーナーの方の名前が並んでいたので、完全に実写だったと発覚。実写だったのか…

最後にNG集がちょっと流れたけれど、ワンシーンだけであれだけNGを出していたら収録はかなり大変そうですね。

それにしてもスタッフロールにベンジーの名前がないのはどういうことなのか。

 

 

『ネクスト ロボ』(Netflixオリジナル)

Netflixオリジナル映画『ネクスト ロボ』のスクリーンショット

引用元:Next Gen | Netflix Official Site

 

犬のモモがぶさかわいい。

ロボも起動したての初期はポンコツかわいい。

 

ロボが武器をひとつ取り戻すたびに、メイとの大切な思い出がひとつずつ消えていくの、ものすごく救われないけれど胸アツな展開でした。

ロボは強すぎだけれど、博士がロボットの反乱を予測して作っていたのだと思うと納得できます。

ラストで安直にロボの記憶が戻らなかったところを評価したい。私は「力や奇跡には代償がつきもの」派です。

 

ロボが主人公・メイに罵られた記憶も大切に残していたところが、都合のいい記憶だけ残したがる私とは違い、それこそ本物の愛だと感じました。

 

 

『ネイキッド』(Netflixオリジナル)

Netflixオリジナル映画『ネイキッド』のスクリーンショット

引用元:Naked | Netflix Official Site

 

自分の結婚式直前に、なぜかエレベーターのなかで裸で倒れている状態で目覚める。

しかも協会の鐘の音がなると時間が戻り、またエレベーターに戻ってしまう。

 

コメディ色の強いタイムループもの。コメディ×謎解き×ラブロマンス。

タイムループを繰り返すうちに、過去の自分を反省して成長していくところが好きです。

 

 

『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』

 

『ショーン・オブ・ザ・デッド』でのサイモン・ペグとニック・フロストのペアが気に入ったので視聴。

 

序盤は退屈だったけれど、殺人事件が起こってから面白くなってきます。

どんな内容が全然知らずに観始めたので、まさかサスペンスだとは思いませんでした。

 

(主人公・ニコラスからすれば)合理的じゃない考えをする村人が多くて腹立つなーと思っていたら、全員グルだったのですね。

「意味不明な行動をする人たちでも、その人たちの頭の中では合理的に動いている」、というのを最近『論破力』という本で読んで、ああこういうことかって思いました。

 

この村、『キノの旅』に出てきそう。

 

 

 

『スペクトル』(Netflixオリジナル)

めっちゃ面白いです。Netflixオリジナルの超常現象・SF映画でイチオシ。

 

こちらに大きな危害を与えてくる敵が何なのか分からない(見えない・存在を理解できない)というところに、私が映画『バイオハザード』を初めて見てゾンビに出くわしたときのような衝撃と興奮を感じました。

敵が何なのか、どうすれば倒せるのか分からないというのはやっぱり怖いですね。

しかも人間の形をしているから、人間の霊体を想起させてより恐怖を感じます。

どう対処していくのかが気になって引き込まれました。

 

敵が霊体のような存在だということももちろんですが、実物がないのにオカルトで説明を付けず科学で説明してみせたのが斬新でした。

科学で説明したことで、「オカルトかー。そっかー。へー」と冷めた見方になることがなく、現実味が増しています。

 

そして技師が有能。

知識と技術があって、戦場に自ら出ていく勇気があって、序盤のどうでもいいミニ事件で死んでしまう某研究者のような間抜けさがなく、生き残る強さがあります。有能すぎる。

 

科学が発達すると武器や兵器は実体のように触れることができるものでなく、レーザーやパルスなどの光学的なものになっていくんですね。

撃たれたときに銃弾で自分の体がえぐれるのを想像すると痛々しいですが、光学的な武器で一瞬で蒸発するところを考えるともっと恐ろしいです。

 

 

『エクスティンクション 地球奪還』(Netflixオリジナル)

前述した『スペクトル』といい、Netflixオリジナルの超常現象・SF映画は面白いです。

 

邦題で若干ネタバレしているのが残念。原題は『Extinction』。

邦題のせいもあって、現在地球に住んでいる彼らが人間でないことにはすぐに気づいてしまいました。

 

彼らの一部が見たあの夢は消された過去の記憶で、記憶が蘇った人は施設でもう一度記憶を消してもらっていたんですね。

真実を知ってしまったら、思い出してしまったら世の中が混乱するから。

そんなわけで夢を見る人が多かったのには納得だし、その夢が過去の記憶だったから、未来に起きる出来事とは似て非なるものだったということにも頷けます。

 

彼らは身体が成長しないから、老人が見当たらなかったんですね。

子どもは何人かいたけれど、彼らは一生子どもの身体のままなのでしょう。

それとも新たに作った成体に記憶をコピーさせて、身体を一気に成長させるんでしょうか。

一生子どもの身体で、子どもの役割のままでいるのってどんな気持ちなんだろう。

 

こうやって疑問点を挙げていくと、「何年も生きていたら自分たちが人間でないことに、そして何かがおかしいということに気付くはず」と急にスッキリ感が消えていく作品ですが、基幹のストーリーは面白かったです。

 

『バード・ボックス』(Netflixオリジナル)

「ソレを見るとおかしくなって自殺してしまう」という設定は面白いし、そんななかで安住の地を求めてサバイバルする姿にも引き込まれました。

だけど大きな鳥のようなものの正体は分からなかったし、結末もよく分からなかったのが残念。

絵というか画の質は高かったです。

 

 

『TAU/タウ』(Netflixオリジナル)

心のようなものを持ち始める AI モノは大好物です。

 

AI は高性能で有能なはずなのに、かつ人間の子どものようなポンコツさを持つところがかわいい。

知識は大人相当なのに人間界での常識が抜け落ちている、というのがおかしくてかわいく見えてしまうのでしょうか。

 

あとは「心」という持っていなかったものを、なにかとの出会いで得ていく過程にもグッときます。本作ではジュリアですね。

本作とは関係ないけれど、心を手に入れることだけでなく、これまでの心を持っていなかった頃の自分(AI)の記憶を、心を手に入れたあとで振り返って「あれはそういうことだったのか」と理解する、というのにも心を打たれます。

 

 

『ザ・ベビーシッター』(Netflixオリジナル)

グロいです。コメディタッチだけどグロいシーンが多い。

本作での一番のインパクトはそのグロさです。

 

ソーニャ役のハナ・メイ・リーさんが良いキャラしてる。

彼女は『ピッチ・パーフェクト』でめちゃめちゃ声が小さくて高くて聞き取れない不思議ちゃんみたいな役をしていましたが、本作でもなかなかぶっ飛んだキャラクターを演じています。

 

 

『リトルデビル』(Netflixオリジナル)

ホラー物かと思いきや、ちょっとしたコメディと家族愛もあって良かったです。

序盤はホラー要素にビビっていましたが、後半はほっこりしました。

 

 

『アナイアレイション -全滅領域-』(Netflixオリジナル)

画が美麗だし、誰も帰ってこれない謎の領域という設定も面白いです。

前半は面白かったけれど、後半はちょっとよく分かりませんでした。

 

 

『人生フルーツ』

山のなかに暮らさなくても、家と広い庭の周りに大きな木を植えると似たような暮らしができる、というのは新たな発見でした。

90歳になってもあれだけ動いて農作業ができて、好きな仕事ができて、お互いを好き合っていて、半山半街のような場所でスローな生活を送れるというのは理想ですね。

 

 

 

『わたしを離さないで』

 

生まれたときから臓器提供をして死ぬ運命である、クローン人間の彼らはどんな気持ちで生きていたんでしょうか。

主人公たちが幼少期を暮らした寄宿学校ヘールシャムは彼らの人権を尊重した場でしたが、私たちの世界でいうと放し飼いスタイルの養鶏場みたいなものでしょうか。

動けないほど詰め込まれて太らされて殺される養鶏場よりはマシかもしれませんが、結局殺されてしまうんですもんね。

殺されるまでの人権を尊重すればいいってもんでもない気がしてきます。

 

「人類がまたあの短い寿命に戻ってもいいのか」というのと、「二度と鶏肉が食べられなくなってもいいのか」という問題は似ているところがあると思います。

クローン人間が人間の形をしている以上、「クローン人間は人間ではないのか問題」に決着をつけるのは難しいでしょう。

本作の世界で生きる人類は既に割り切ってしまっていますがね。

 

 

『にがくてあまい』

 

ベジタリアンのゲイ・渚と、野菜嫌いの女の子・マキのお話。

マキは渚のことを恋愛対象として好きですが、絶対に恋愛関係にならないのでラブコメ嫌いな私でも安心して観られました。

毎日野菜ばっかりの料理でも美味しくて満足できるものが作れるんですね。渚が作る料理はすべて美味しそうで食欲をそそられました。

登場人物に嫌なやつが一人もいないのも良いです。

 

ググったところ、原作漫画の最後でも二人はくっつかないという、私好みのいい感じに終わるそうなので機会があったら読みたいです。