急に恋愛ADV(ギャルゲー)がやりたくなった時期がありました。
私のとって恋愛ADVは、3DSやVITAといった携帯型ゲーム機で遊ぶものでした。
ゲーム断ちをしているので携帯型ゲーム機は持っていないし、買う予定もありません。ならばスマホで軽く遊んで"恋愛ADVをプレイしたい欲"を満たそう、と思ったわけです。*1
いくつかのゲームの体験版をプレイした結果、『Fragment's Note(フラグメンツ ノート)』を選びました。
けっこう前に買って放置して、ちょっと前にクリアしていたので感想をメモしておきます。
以下ネタバレあり。
恋愛ADV『Fragment's Note』
選択肢が少なめのビジュアルノベルです。
iOSでもAndroidでも遊べるようです。400円。
一人の少女は
未来を変えるために、
新たな物語を紡ぐことを
決意する。『自分の思い』を、
叶えるために……。
初めてのスマホゲーム購入
『Fragment's Note』は初めて買ったスマホゲームです。
広告がなく、中身もしっかりしているだろうと思って有料のものを選びました。
400円で恋愛ADVが遊べるのはいいですね。*2
家庭用ゲームで恋愛ADVのソフトを買おうとすると5000円くらいしますからね。
ただし、いい意味でも悪い意味でも値段なりです。そもそも家庭用ゲームと比べるのは無粋というものです。
スマホゲームで家庭用ゲームと同クオリティの恋愛ADVって、需要がないから出ないのでしょうか。
スクリーンショット
主人公の姉「天条 羽耶(てんじょう はや)」
本作で私が一番好きなヒロイン、羽耶(はや)さんです。あーかわいい。
1週目は羽耶ルートでクリアしました。
このゲーム、名前にふりがながついていないので登場人物の名前が読めないんですよね。私の知識が足りないだけでしょうか。
例えば「雪月(下の名前)」を「ゆきつき」と読むなんて、さっき公式サイトを見て初めて知りました。私は「ゆづき」と読んでいました。ゲーム内で雪月を「雪」と呼ぶ人がいるから、なんだかおかしいぞ、とは思ってはいたんですが…
羽耶も多分「はや」なんだろうなーと思っていましたが、ハッキリしなかったので最初から最後までなんだかモヤモヤしてしまいました。
羽耶は主人公の姉ですが、血は繋がっていません。
主人公への愛の大きさと、ヒロインたちのなかでは一番大人っぽいというところに惹かれました。決して弱い人間ではないけれどたまに見せる弱さに、「守りたい」という気持ちもありました。
弟へ恋愛感情を抱いているということからくる不安や焦りなどが、羽耶を弱くさせてしまうんでしょうね。
他のヒロインやキャラクターもかわいいしいい子たちなのですが、なにしろ物語が短いので、私の中では印象が薄いままだったのが残念です。
タブー大好き「白鷺 絵里(しらさぎ えり)」
主人公と羽耶の姉弟愛(しかも生徒と教師)と聞いて、興奮しながら大賛成する絵里。
むしろそんなあなたが良い! タブーが好きな人って懐が広そうで安心できます。
ジト目
物語のなかでは超問題児キャラな「朝霞 雪月(あさか ゆきつき)」。
こうやって見ていると恋愛ADVのメインヒロインになってもおかしくないルックスです。髪色はピンクですし。
更生ルートがあってもよかったんじゃないかな。ゲーム内で更生した時点ではもう主人公はヒロインと深く繋がっていたので、時既に遅しなのかもしれませんね。
修羅場。
主要女性キャラが全員そろってジト目のオンパレード。一人(右)はただ寝ぼけているだけですが…
このシチュエーションが羨ましいです。ジト目は大好物なのです。
羽耶さん、怖いです。何か出てます。
羽耶さんは他のヒロインルートでもいいキャラしてました。やっぱり好きです。
愛は究極の自己肯定
絵里「愛されるってことは、お互いがお互いに必要とされるってことでしょ。
そして、それはね、お互いの全てを受け入れるっていうことよ。
それってある意味、究極の自己肯定よね。」
絶対的な自己肯定のために愛を求めたくなる気持ちは分かります。
絵里「他者に存在を委ねた存在。それって人形と同じでしょ?」
他者の肯定がなくたって、自分の肯定があればいい。たとえ他人から見たらダメ人間でも、自分で自分のことが大好きな人はハッピーに見えます。
人形として生きるのは人生の無駄です。
ルート分岐について
選べるヒロインは羽耶、ミーシャ、絵里の3人です。
ルート分岐は羽耶ルート、ミーシャルート、絵里ルート、バッドエンド(物語初めにタイムスリップ)の4つ。
物語前半は共通ルートで、いくつか選択肢が出ます。
その選択肢の選び方(おそらく好感度)によって分岐します。羽耶をひいきしていたら羽耶、ミーシャをひいきしていたらミーシャ、という感じですね。
特殊なのは、すべて絵里の選択肢を選んだ場合は絵里、バラバラな選び方をしたらバッドエンド、というところです。
1週目はそこそこ面白いですが、他のルートも行き着くところはほとんど変わらないので、2週目以降は退屈です。
隠しキャラというか、ヒロインのなかでは一番 分岐難易度の高い絵里ルートだけは、他の2人より立場が違う分、少し個性があって楽しめました。
総評
タイトルの「Fragment's Note」とはどういう意味なのでしょうか。考えても分からないので気になります。
400円という値段を考えると、けっこう楽しめたと思います。
ボイスはありませんでしたが、特に問題ないですね。
恋愛ADVをプレイしたい欲も解消されました。(実際はプレイ中にどこかへ去ってしまったのですが)
イラストは好みでした。
一枚絵のシーンでも表情が頻繁に変わるのが良かったです。
キャラクターの個性は雪月以外はあまり強くありませんが、キャラデザがいいので、もう少し彼女たちのストーリーを楽しみたかったです。
ストーリーは、ぶっ飛んでる超問題児(雪月)のおかげで先の読めない展開に頭を使うのが楽しかったです。
迷走する雪月の姿は一部、自分と重なって見えました。
「個を持っていない(と思い込んでいる)から、他人に自分の形を求め、それがないと不安定になる」。
個を持っていないから欲しいと思うのは、それ自体が個を持っているということになるのだそうです。何かが足りない、何かが欲しいと思う、その感情こそがすでに個である証明なのだと。
相手が求める自分を演じるのは楽です。「自分」を持つ必要がないですからね。けれどそんな他人任せな生き方だと、そのときはよくても、自分を強く求めてくれる相手がいなくなったら雪月のように不安定になってしまうのでしょう。
私はそういうところがある、つまり誰かに求められると普段より力を発揮できるため、そういう人を求めてしまうところがあるので気を付けようと思いました。
私が恋愛ADVを好きな理由
私は恋愛ADVが好きです。
一人の人間を深く知ることができ、また、その感情の動きを追うことができるからです。もちろん「相手の」ですよ。
しかも周回すれば前回と違った選択肢を選ぶことで、同じシチュエーションでの別の反応を見ることができるので、興味深いです。
そんな風に好きなキャラクターを追っかけているだけでも楽しいですが、自分のことを好きになってくれるのは単純に嬉しいっていうのもあります。
恋愛ADVをプレイしていると、いろんな人がいるんだなーって思います。
とにかく褒めれば好感度がぐんぐん上がっていく人。
なんでもかんでも「その通りだね」「流石だね」みたいな対応をしていると逆に怒って好感度が下がる人。
こちらが別の人にアプローチしている姿を見せて嫉妬させないと、安心してしまって恋愛に発展しない人。
軟派のほうが好感度が上がる人、硬派のほうが好感度が上がる人。
好きなこともイヤだと感じることも、人それぞれです。
現実の人間関係でもそこは同じですが、現実だと相手の反応が分かりにくいことが多いのがネックですね。
もちろん現実の人間関係も楽しいですし、ゲームにはない面白さもあります。
自由度が桁違いですし、たとえクリア(=結ばれる)しても、バッドエンドになってしまったとしても、人生は続きますからね。
私の場合、相手の性別は気にしないので、ギャルゲー(主人公は男性、相手は女性)も乙女ゲー(主人公は女性、相手は男性)も百合ゲー(主人公も相手も女性)もやります。
とはいっても私は二次元の女の子が好きなので、今のところBLゲー(主人公も相手も男性)をやりたいとは思いません。
「女性」「男性」ということにすらこだわっていませんが、まだまだ市場は主人公も相手も「女性」か「男性」ばかりですね。『サクラ大戦Ⅴ』の九条昴のように「性別:昴」みたいなキャラクターはなかなかいないみたいです。世の中には『はーとふる彼氏』のように鳩(♂)と恋愛するゲームもありますが…
内容も別に恋愛である必要はないのですが、恋愛だと登場人物の感情の起伏が大きいので面白いです。それに恋愛ADVはある程度の人気があるので、たくさんのソフトが出ていて手に入れやすいですしね。
エロゲーもやってみたいのですが、エロが苦手なのでいまだにまともに遊んだことがありません。「年齢制限がある物語のほうが人間の感情のより深い描写ができる」みたいな文章を読んだことがあるので、ずっと気になってはいます。
最後に私のお気に入りの恋愛ADVをいくつか挙げて終わりにします。
私のイチオシ恋愛ADV
『サクラ大戦』シリーズ
▲『サクラ大戦』シリーズを恋愛ADV、つまりギャルゲーとしてしまっていいのかはずっと悩んでいますが、一応紹介。大好きな作品です。
『サクラ大戦』は20年前に出た作品ですが、今でもライブなどのイベントが行われています。
戦う乙女、歌劇、大正浪漫、ロボ、豪華声優陣、音楽は田中公平さん。どれか一つでも気になった方はぜひプレイしてみてください。
『アマガミ』
▲ヒロイン全員、他のゲームやアニメなどと比べると地味なルックスなのに、個性がとても強いです。主人公は変態紳士。
私は薫が好きですが、とても惹かれてしまうのは絢辻さん。
本作の9年後の世界を描いたアニメ『セイレン』が最近放送されました。
『まぼろし月夜』
▲今やるとちょっと古臭いかもしれませんが、ぜひプレイしてもらいたいです。
美麗なグラフィックと奥深いシナリオで綴る、11人の女の子との恋愛アドベンチャー。
あなたに贈ります、胸が痛むほどの感動を……。
今はゲームアーカイブスで617円で買ってプレイすることができます。
なんとフルボイスです。主人公の名前を好きな名前に変えることができるので物語に入り込みやすいです。公式設定原画集も出るくらい、美しい作品です。
ちなみに私が好きなヒロインは美雪。
▼公式サイトはこちら。