ネット上で良い評判しか聞かない『UNDERTALE』のVITA版をプレイしました。
フツーのRPGに飽きた方にぜひ遊んでもらいたい作品です。
今後プレイする可能性が1ミリでもある方は、プレイするまでネタバレを積極的に回避することをおすすめします。
ヘンテコで愉快なキャラクターが次々と登場する、とびっきり楽しいRPGの世界を冒険しよう。敵を倒すも見逃すも、すべてはキミ次第。モンスターたちが暮らす地底の世界に落ちてしまったニンゲンの子は、地上へ帰れる…?それとも、永遠に閉じ込められてしまう…?
- 公式サイト:UNDERTALE
- 発売元:ハチノヨン(8-4)
- 機種:PSVita
- ジャンル:RPG
- 発売日:2017年8月16日
以下ネタバレあり。
良かった点
- ストーリーと世界観。そして音楽。
- 国産RPGなのではと勘違いするほど、日本語ローカライズの質が高い。
- 敵の攻撃を避けるのがシューティング形式なのが面白い。
こちらへの攻撃方法(シューティングゲームでいう弾幕)や、倒さずに戦闘を終わらせるための対処方法がモンスターによって違うので飽きない。 - アクション操作がヘタクソでも、消費アイテムを使って頑張ればなんとかなるのが嬉しい。
ちなみに私はマリオの1面で苦戦するレベルのヘタクソさ。
ただし東方シリーズをほんの少しかじっているため、多少のシューティングゲームの知識はある。 - エンカウントが少なめでフィールドをサクサク進むことができる。
- セーブポイントがたくさんある。
ラスボスさえも戦闘前に引き返すかどうか聞いてくれるという親切さ。 - 個性的で魅力あふれるキャラクターたち。
「ボスキャラ全員と友だちになれる!」という触れ込みに偽りはない。 - イヌがかわいい。
イマイチだった点
- VITA版だと、セリフウィンドウ外に表示されるセリフの文字が小さく、人によっては読みづらいかもしれない。
好きなシーンなど
主人公のやる気のない顔
使命に燃えた勇者や、夢や希望あふれる冒険者とは違い、なんだかやる気ない感じなのが好きです。
しかしどうしてこんな虚ろな表情をしているんですかね…
パピルスに不覚にも惚れてしまう
初めて会ったときは「なんだこいつ」としか思わなかったのに、パピルスとの戦闘に勝てなくて何度も挑戦したり、パピルスとデートをしたりしているうちにハートに火をつけられてしまいました。
おバカなのにとても優しく純粋だったり、謎の自信を持っていたりするところに安心感を覚えます。
「ダメな人を好きになる」人の心理が分かった気がする…
結局ふりむいてはもらえなかったけれど、友達としても絶対にイイヤツ。
アンダインにギャップ萌え
アンダインの笑顔に癒やされるのは私だけではないはず。
アンダインとのデートでの会話中に一度だけ見せてくれる表情があるんですが、スクショし損ねました…あのかわいい顔をもう一度。
パピルスといいアンダインといい、敵だったのがともだちになると印象がガラッと変わるの、よく考えるとすごく深い。
キュートなイヌとネコ(?)
イヌ
イヌ、特にちょいちょい現れる白いイヌがかわいい。
イヌの神社らしきところでお賽銭をコツコツ入れていたら、すべて変なものを買うための資金にされてしまいました。
それでもかわいいから許しちゃう。
ネコ(?)
テミー ヵゞ かゎぃぃ。(ギャル文字で「テミーがかわいい」)
一昔前のギャル語みたいな文章がまた愛くるしいです。
好きになった人が好きな人なのだ
とあるロイヤル・ガードの告白
戦闘中に自分の気持ちを抑えられなくなった01(左)が02(右)に告白。
そして結ばれる(?)二人。
いいぞもっとやれ!
アンダインとアルフィー
このカップルも良い…
それよりもアンダイン姉さん、戦闘服の勇ましい感じとはうってかわって、イケメンオーラが全身から溢れ出てます。
衝撃のラスボス
一周目のラスボス。
ドット絵の世界にリアルなものが出現するって、それだけでひどく奇妙で怖いことなのだと体感しました。
造形や言動に、ここまで狂気を感じたボスは過去に見たことがありません。
自分(主人公)が殺されるシーンを何度も繰り返されたり、やっと倒したと思ったらデータを改ざんされて無かったことにされたりと、本当に絶望に引きずり込まれたような感覚になりました。
トリエル、あなたを二度と離さない
一周目のプレイでは、トリエルを倒さないと先に進めないものだと思い込んで殺してしまいました。
その後の道中やラストの展開でその事の大きさに気付き、「なんてことをしてしまったんだ」と猛反省。
心を入れ替えてからは、憎むべきフラウィーさえ憎むことができなくなり、フラウィーを「見のがす」以外の選択肢を選ぶという思考回路が消え去りました。
二週目開始時のフラウィーからの忠告。
もう絶対に殺さない。
トリエル!
ようやく、また会えた。
トリエルに初めて会ったときは、偏見と先入観からトリエルのことを「ニンゲンを食べる邪悪なモンスター」だと思ってしまい、彼女のすべての言動を疑いの目で見ていました。
そして自分(主人公)の元いた世界に戻るために、躊躇なく殺してしまったのです。
彼女の思いを知った状態で彼女の行動をもう一度見てみると、そこには愛だけがあり、本当に私のことを思ってくれていたのだとやっと気付けました。
トリエル、私は地上に出てからもあなたと共に暮らしていきたい…
ともだち大集合
こういう平和な日常のヒトコマに、荒んだ心も吹き飛びます。
終盤にて。
ああ、一周目とは違ってちゃんとみんなが生きていて、みんなとともだちになれたんだなーと思うと感激です。
アンダイン「あんしんしろ! みんな おまえの みかただ!」
フラウィーが攻撃してきましたが、みんなが勇気付けてくれます。
エヴァンゲリオンのラストシーンを彷彿とさせられたこのシーン。
これだけ勢揃いすると壮観です。
もうなにも怖くない。
おわりに
中盤くらいまではこれほどまでに評価が高い理由が分からなかったけれど、終盤に入ってみると納得です。
本作はエンディング近くまでプレイすることで、それまでの道中のいろんなことの意味が理解でき、点と点がつながり、魅力が一気に増します。
あと、一周目ではトリエル以外誰も殺さなかったことや、クモのスイーツを買ったことなど、自分がこの世界でやってきたことを見ていてくれているようなイベントがあって、なんだか嬉しくなりました。
一周目はトリエルを殺してしまったことが非常にショッキングでした。
まさか殺さないで済む方法があったなんて…。
その後は心を入れ替えて誰も殺すことなく進み、そして二週目へ。
誰も殺さないルートだとレベルが上がらずHPが初期のままなので、アクションが苦手な私にとっては戦闘がちょっと大変でした。
それでもなんとかクリアして「これこそが真のエンディングだ」と実感し、このゲーム以外でももう誰も殺したくないな、と思いました。
自然と優しい気持ちになれる作品です。
MOTHERと東方シリーズっぽいなと思っていたら、作者がもっとも影響を受けた作品がこの二作なのだそうです。
なるほど納得。
…そしてパピルスごめん、やっぱりアンダインのほうが好きかもしれない。
おねがい! アンダイン! わたしを だきしめてぇっ!!*1
余談
ダウンロード専売ゲームやインディーゲームは、パッケージゲームと比べてサクッとクリアでき、遊び尽くした感もしっかり得られるのが良いですね。
ゲームをする時間があまりないと、100~200時間くらいかかってしまう大作ゲームにはなかなか手を出しにくくなります。
本作は一周目の最終セーブデータが6時間16分、二週目単体でも4時間10分だったので、プレイ時間は合わせて10時間強でした。
*1:作品中のアルフィーのセリフをパクりました。