アニメ感想『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『ヒルダの冒険』など6作品



ネタバレあり。

 

 

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

 

某ブログで「すごく綺麗」と絶賛しているのを読んで気になっていた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。

評判通り絵柄や背景が綺麗で、特に主人公であるヴァイオレットのその容姿や心はとても美しかったです。

 

ヴァイオレットが一般的な人間社会的にポンコツとして描かれる3話あたりまでは引き込まれませんでしたが、そのあとは学び成長したヴァイオレットが状況に対してどのような行動をするのかが気になってついつい先を観たくなりました。

 

第10話では先の展開がまったく予想できていなかったので、手紙がアンのもとへ届いて母の行動を理解したときに涙が溢れ出し、その後も涙が止まらず口に手を当てて泣くほどでした。

天国にいる夫や、自分が亡くなったあとにいろいろな手続きを代行してくれる弁護士などに手紙を書いているのだろうとずっと思い込んでいました。

余談ですが、なぜひどく泣くときは手を口にあててしまうんでしょうかね。謎。

第7~9話あたりの、ヴァイオレットがギルベルト少佐の死を知って嘆き悲しみ、そして乗り越える、といったシーンよりも激しく心を揺さぶられました。

 

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のヴァイオレット・エヴァーガーデン

引用元:アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』PV第3弾 - YouTube

 

幼少期から兵士として育てられ、一般的な人生を送ってこなかったために、読み書きだけでなく話すことすらもおぼつかなかったヴァイオレットは少しずつ学び成長していったけれど、その心は容姿と同じように透き通って美しいままであるのは奇跡です。

ギルベルト少佐のヴァイオレットへの接し方が大いに影響しているはず。

少佐は死ぬ直前にヴァイオレットに愛を伝えましたが、ヴァイオレットがこれまで「美しい」や「寂しい」が分からなかったのと同様に自分では理解できていなかっただけで、きっとヴァイオレットも少佐のことを愛していたのでしょう。

そう思うとさらに切なくなりました。

 

 

『ひそねとまそたん』

 

主人公・ひそねの「嘘をつけないマジレッサー」という成分のせいか、ギャグ要素が多く、予想していたよりも軽めの作品でした。

ご都合主義というか、最後もひそねの無茶でなんとかハッピーエンドになってしまいましたし。

 

www.youtube.com

完全にPV詐欺である。

壮大なBGMの上に感動的なシーンばかり切り貼りすると、あんなギャグな作品でも映画の予告編っぽい感動アニメーションになるんだなあ。

PVのふざけたサムネ画像の時点で異変に気付くべきだったのでしょうか。

 

ただ、ひそねのおかげでストーリーがシリアスになりすぎなかった、というところもありますね。

『ドキドキ!プリキュア』での相田マナのようです。人間の完成度は全然違うけれど…

ドキプリでは(中略)「どうにもならない」悲しさや虚しさはありましたが、心を抉られるような絶望の描写はありませんでした。マナの底抜けの愛と前向きな性質に、マナ自身もみんなも引っ張りあげられていたからかもしれませんね。

アニメ感想『ドキドキ!プリキュア』愛がテーマのシリアスなプリキュア - 麒麟浪漫

 

ストーリーは置いておいて、特筆すべきはEDです。

中毒性があってテンポの良いフランス語の曲だし、ダンスはシュールだし、毎回歌っているキャラクターやコーラスが違うしで、普段はOPEDは飛ばしてしまう私が毎回観てしまいました。

中毒性が高いです。

特に後半のひそねが激しく腰をふるところなんて、ひそねが真顔なのも相まってものすごく面白い。

 

アニメ『ひそねとまそたん』の絹番莉々子

引用元:TVアニメ『ひそねとまそたん』【HD】4月12日放送 - YouTube

 

キャラクターとしては りりこすこと莉々子さんが好きです。

ああいう影があってオタクっぽい個性的なキャラクターは大好き。

というか絵瑠さん以外のDパイの皆さんは非常に個性的です。

莉々子さんは視線恐怖症で人と接するのが苦手というわりに、思っていることをズバズバ言うところもナイス。

声が新井里美さんというのも非常にマッチしていました。

新井里美さんや桃河りかさん*1系のちょっとイカれた(失礼)声優さんが今マイブームです。

 

 

『魔法少女 俺』

アニメ『魔法少女 俺』の卯野さきと御翔桜世

引用元:TVアニメ「魔法少女 俺」PV第2弾 - YouTube

 

 

予想していたよりノリがふざけていて、思いっきりギャグものでした。

 

予告PVで「桜世→さき」の百合展開に期待して観始めた『魔法少女 俺』。

サブキャラクターにも「瑠可→未散」「未散→魔法少女オレ(?)」という百合要素があったことや、「桃拾→魔法少女オレ」「魔法少女サキガスキ→魔法少女オレ」といったBL要素っぽいものがあったのもナイス。

桜世や瑠可がガチ百合なのも個人的に高ポイント。

結局、ディープな百合展開はなかったものの、ギャグものということでたとえ報われずとも桜世や瑠可が明るく描かれていたのはナイスでした。

 

作画は不安定。

ただし終盤の展開で意図的に作画を崩壊させる演出があったことで、これまでのすべての作画崩壊はギャグ的な演出だったのではないかと思わずにはいられなくなりました。

 

ストーリーに関しては、まず変身して魔法少女になるとムキムキの異性になってしまう、という点からして面白いです。

真の悪役が判明する場面や、ラストの魔法少女オレ VS マネージャーでの展開などは全然予想ができていませんでした。

予想できない展開に加えて悪い存在がいないこともあり、とても楽しく視聴できました。

 

 

『ヒルダの冒険』(Netflixオリジナル)

Netflixオリジナルアニメ『ヒルダの冒険』のヒルダ

引用元:Hilda | Netflix Official Site

 

  • 放送時期:Netflix限定配信
  • 原作:なし(オリジナルアニメ)

 

Netflixオリジナルの海外アニメ。たぶん子供向け。

基本的に一話完結なので気軽に観られます。

 

日本のアニメにありがちな、というかほぼ確実に出てくる美男美女や萌え要素といったものが全くありません。

大人になって海外アニメをほとんど観なくなった私にとって、『ヒルダの冒険』の「カートゥーン・ネットワーク」ライクな絵柄は新鮮で、くすんだ色彩も好みです。

作画崩壊の気が微塵もせず、とても丁寧に作れられているように感じました。

作品に引き込まれた理由のひとつとして、既視感が非常に薄かったからというのもあるでしょう。

 

主人公の少女・ヒルダは勇気、好奇心、優しさ、自然を愛する心を持っていて憧れます。

心優しく人間的に正しくて、そのためならルールも破るし周りの言うことも気にしない。

完璧人間にも思えますが、正しいと思う道を突き進むために危険を顧みなかったり後先を考えなかったりする危なっかしさがあるのでバランスがとれています。

その欠点はきっと若さゆえで、もう少し歳をとったら少しは落ち着くのでしょうね。

大人になったヒルダはどんな感じになっているのでしょう。将来が楽しみな女の子です。

 

岩のトロール、小人のエルフ、しゃべる大カラスといったファンタジー要素が満載で、そこら中に溢れている「冒険」がとにかく楽しそう。

冒険家を自称するヒルダにとって冒険しがいのある素晴らしい世界です。

登場するものが目新しいものばかりで観ているだけでも楽しいです。

 

おそらく子供向けの作品なので、登場人物たちは簡単な英語でしゃべります。

英語は海外通販ができて、海外ゲームの簡単な英語は読める程度の低レベルな私でもけっこう聞き取れて、アニメで英語学習も良いな!と思えたほどでした。

 

唯一残念だと思ったのは、終わり方です。

「は?」という感じにあっけなく終ってしまいました。

ただし最後を変にまとめられていないというのは逆に良かったかもしれません。

「ヒルダの冒険はまだまだ続くぜ!」といった風に物語からすっと視聴者が追い出された感じでした。

 

 

『ハイスコアガール』

アニメ『ハイスコアガール』の大野晶

引用元:TVアニメ『ハイスコアガール』PV第3弾 - YouTube

 

 

期待以上に楽しめました。

主人公・ハルオがゲームに詳しくて、「好き」がグイグイ伝わってきました。

私はSFC世代だったので、アニメ本編では私の知らない(名前は知っている)昔のゲームについて知れるのが楽しかったです。

出てくるタイトルは変にもじったものではなく原題ままで、使われているのは実際のゲームプレイ画面というのもナイス。

 

ヒロインの晶ちゃんは無口美人お嬢様なのにゲームが超上手いって私のツボすぎる。

度が過ぎた無口なのもむしろかわいい。

 

原作は1巻しか読んでいないということもあり、ストーリーはもっとゲームゲームしたものかと思っていたので、恋愛、というよりもハルオと晶の関係がメインだというのは意外でした。

恋愛だと気付いていないというところも初々しくて良いですね。

 

尻切れトンボ(死語?)のような終わり方をしたけれど、アニメ化のために無理やりまとめていないところは好印象でした。

最終話のあとにOVAが2019年3月に発売&Netflix配信されることが告知されたので今から楽しみです。

 

 

『こみっくがーるず』

アニメ『こみっくがーるず』の色川琉姫と勝木翼

引用元:TVアニメ「こみっくがーるず」 第2弾PV - YouTube

 

 

完全に「まんがタイムきらら」系で安心して観られました。キャラデザが好みです。

琉姫・翼と小夢→翼の若干の百合要素もナイス。

題材が漫画制作ということで、創作意欲を刺激されるのも良かったです。

 

ちなみに翼目当てで観ました。青髪の女の子は至高。

『真剣で私に恋しなさい!』の椎名京とか、『魔法少女まどか☆マギカ』の美樹さやかとかね。

翼はボーイッシュなのもナイスです。

翼の声優さんは高橋李依さんなんだけれど、『魔法つかいプリキュア!』で演じた朝日奈みらいみたいなハツラツな子どもっぽさがなくて落ち着いた低い声をしており、高橋李依さんだとは信じられませんでした。

むしろ小夢のほうがみらいとキャラクターが似ており、高橋李依さんなのではと思うレベル。

いろんな声を演じられる声優さんってすごいな…

 

薫子役の赤尾ひかるさんの声も特徴的で、本作の原作を読んだことはないけれどキャラクターにマッチしていました。

 

 

*1:『三者三葉』の「薗部 篠」役など。